【米ドル建て生命保険】基本的な知識、メリット
保険の相談をしたら米ドル建て生命保険を勧められたけど、ぶっちゃけどうなの?
日本人の90%以上は生命保険に加入していると言われています。
社会人になったタイミング、結婚をしたタイミング、家を購入したタイミング、子供が出来たタイミング、子供が巣立ったタイミング、定年退職のタイミング etc
恐らく皆さんが生命保険と言うものを考えるきっかけとなるタイミングは人生において沢山あると思います。
保険会社、銀行、代理店と保険商品を扱っているところは数多くありどこで話を聞いたらいいの?といった話もあるかもしれませんが、そういった話はまた追々していきたいと思っています。
ここでは『保険の相談をしに行ったら米ドル建ての生命保険を勧められたけど、今まで聞いたことないし、周りでも入っている人が少ないし実際どうなの?』という話をしていきたいと思っています。
今はインターネットで簡単に情報が得られる時代なので、この記事を読まれている方も当然のことながらそういった目的かと思います。
僕自身も情報を集めるためにインターネットで検索をして情報を集めることはよくあります。
その時によく思うことが「これって知らない人は間違えそうだなー」ということです。
どういうことか?
1.そもそも米ドル建て保険は大きく分けると2種類ある。
2016年頃から話題となっているので、こんな話を知っている方もいらっしゃると思います。
『銀行窓販で外貨建て保険の手数料を開示する』
保険には毎月もしくは毎年保険料を支払っていく平準払いと呼ばれるものと、一括で大きな資金を支払ってそれで支払いが終わる一時払いと呼ばれるものがあります。
ここの認識を間違っているとインターネットで検索をしても、情報が混乱してしまうかと思いますので、ご注意いただけたらと思います。
上記の手数料を開示すると言った話は今のところは一時払いの保険の話になります。
一時払いの保険に関する詳細はまた追々していきたいと思いますが、一時払いの保険には変額年金保険、定額年金保険、一時払い終身保険といったようなものがあります。
一部例外はありますが、これら一時払いの保険というものは基本的には生命保険としての効力は薄いものであり、例えば『結婚をしたから生命保険を考えたいのですが。』といった状況で勧められることは基本的にないと思います。
インターネットで検索すると
米ドル建ての保険=手数料が高いからお勧めできません。
といった記事を見かけますが、これらは大体一時払いの米ドル建て保険の話です。
ですので、ここでは平準払いの生命保険としての効力が強い米ドル建ての生命保険についてお話していきたいと思います。
2.米ドル建て生命保険のメリット
-
保険に対して支払う保険料が安い
- 解約返戻率が高い
- 為替の動き方によっては、為替差益が期待できる
恐らくどこの営業マンもこの3つをメリットとして挙げて説明されているかと思います。
ではこれらについて1つずつ解説していきたいと思います。
まず最初に見ていただきたいのがこちら。
少しデータが古いですがこれは各国の10年国債の利回りの比較となります。
簡単に言うと 各国の金利の動き方を比べたものです。
こういったデータを使って『アメリカは日本と比べて金利が高いです。なので様々なメリットがありますよ。』と説明された経験があると言う方もいらっしゃると思います。
基本的に米ドル建て生命保険のメリットはここに集約されていると思っていいと思います。
1.保険に対して支払う保険料が安い
『円建ての保険と比較をすると保険として考えた場合にお安くご加入いただけます。』
例えば僕が自分で加入している米ドル建て終身保険を1つご紹介しようと思います。
保険の種類:米ドル建て終身保険(一生涯保険が続く)
自分が亡くなった時に家族が受け取ることのできる保険金:10万ドル
毎年支払う保険料:約2700ドル
支払う期間:10年間
トータルで支払う保険料:約2万7千ドル
後で詳しく説明はしますが、ここではわかりやすく説明をするために為替を1ドル=100円に固定して説明をします。
この条件で上の保険を簡単に言うと全部で270万円支払うと自分がいつ死んでしまっても1000万円を家族が受け取ることが出来る。
これだけだとわかりにくいと思うので、わかりやすく同じ条件で円建ての終身保険に加入したらどうなるかご紹介します。
保険の種類:円建て終身保険(一生涯保険が続く)
自分が亡くなった時に家族が受け取ることのできる保険金:1000万円
毎年支払う保険料:約78万円
支払う期間:10年間
トータルで支払う保険料:約780万円
これは保険の窓口などに行って円建ての終身保険に加入したいと言うと良く紹介される終身保険です。
要は同じ保険に入るのに円建てではなく米ドル建てを選択すると500万円近く安く加入することが可能。(保険金額1000万円相当の場合)
2.解約返戻率が高い
『終身保険には積み立ての機能がついております。米ドル建て終身保険は円建てと比較をすると利率も高いですよ。』
僕が自分のお金で初めて保険に加入したのは24歳の時です。
その時は「どうせ結婚したら保険にも入るし、仮にしなかったとしても支払ったお金が将来自分で使えるなら終身保険にしようかな。」という気持ちでした。
その時に加入した保険を例えば65歳で解約するとどうなっているか?
支払った保険料が約207%になっています。
これも同じようにこの時に円建ての終身保険に加入していたらどうなっていたか?
支払った保険料が約118%となっています。
いかがでしょうか?
仮にどちらにも500万円相当支払ったとします。
そうすると65歳時点で
米ドル建て終身保険:535万円増えている。
円建て終身保険:90万円増えている。
これは勿論為替が一切変化をしなかった場合と言う仮定ですので一概に比較することは出来ないかもしれませんが、同じ生命保険なのに円建てを選択するのか米ドル建てを選択するのかで未来の自分の手取りが数百万円変わってくることがお分かりいただけるかと思います。
3.為替の動き方によっては、為替差益が期待できる
『将来為替の動きによっては更に為替の利益も取ることが出来ますよ。今後の為替の見通しとしては円安ドル高を予想されている方が多いですよ。』
これは人によって意見が分かれるところですし、不確定なことなのでメリットとは呼べないかもしれませんが、こういった説明をする営業マンは多いように感じます。
例えば上記の例で説明をすると
トータルで支払う保険料:約5万ドル
65歳時に解約した場合に戻ってくる解約返戻金:約10万3千ドル
仮に保険料を支払っている期間がずっと1ドル=100円だとすると
トータルで支払う保険料は約500万円となります。
これが65歳時に1ドル=120円になっていたとすると戻ってくるお金は約1236万円となります。(本来107%しか増えないところ、為替の力で147%増えることになります。)
これらのメリットは最初にお見せした各国の金利差が関係してきます。
円建ての保険商品は日本の金利が、米ドル建ての保険商品は米国の金利が関係してきます。
基本的にいつの時代もアメリカの金利の方が日本と比べて高いので、為替の動きを無視すると米ドル建ての商品の方が有利になるという話になります。
デメリットに関しましては下記にて記載しておりますので、ご覧いただけたらと思います。
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