【学資保険】基本的な仕組み、メリット
子どもが産まれたから学資保険に入らないと!どこのがいいんだろう?
おめでとうございます。銀行で貯めるよりも学資保険の方がお勧めですよ!
こういうケースは多いと思います。
僕もご出産されたお客さまから『子ども産まれたから学資保険とか考えてるんですけど。』とよく問い合わせを受けます。
でもこの前FPさんに相談しに行ったら学資保険よりも終身保険っていうので貯めた方がいいって言われたけど。
最近はドル建てに方針転換していると思いますが、それでも未だによく聞く相談ではあります。
中には学資保険の説明はほとんどせずに、終身保険を勧めて来る営業マンもいるとか。
個人的意見ですが、学資保険の問い合わせで会ったのに、学資保険の説明をほとんどせずに他の商品を勧めてる営業マンからは加入しない方がいいです。
これは別に学資保険が良いとか悪いとかそういう話ではなく、まずはお客さまの要望をお聞きして、それに対応する選択肢をいくつか提示した上でお客さまが『学資保険よりこっちのが良いね。』ってなるのであれば良いと思いますが、最初から学資保険という選択肢を潰して自分が売りたいものを売ってくる人は信用出来ないと思います。
ちなみに僕の結論としては学資保険は絶対に入るべきではないと思っています。
しかし考え方は人それぞれですし、正しい情報を得た上で選択するのは皆さんですので、ここでは学資保険の仕組みとメリット、デメリットについてまとめていきたいと思います。
1.学資保険って何?
まず初めに個人的意見ですが、学資保険と名前をつけて販売し始めた人は天才だと思っています。
郵便局とかで入っている方が多いと思いますが、元々将来のために貯金をするといった目的で養老保険というものがあります。
これを子供の教育費に使えるようにカスタマイズして、名前も養老保険じゃなくて学資保険にしようという感じでできた商品です。
呼んで字のごとくですが、子どもの教育費を貯めることを主の目的とした保険です。
子どもが産まれた。
将来大学に行かせてあげたいな。
でも大学って入学金とか授業料とかも結構かかるからそれに向けてお金を貯めないとな。
自分で貯金するのって大変だし、銀行だと利息が全然つかないな。
学資保険なら銀行より増えるって聞いたし、保険も付いてるから良さそう。
こういう流れで問い合わせをされる方が多いと思います。
保険と名前は付いていますが、保険に入りたいという考えではなく単純に貯金をしたい!という考えの方が多いと思います。
学資保険の原型となっている養老保険に入りたいなんて思う人は今の時代ほとんどいませんが、名前が学資保険となっているだけで世の親御さんはこう思うのです。
子どものために学資保険入らないと!
そんな不思議な魅力を持っているのが学資保険という商品です。
- 学資保険とはお子さんの教育費を貯めることを目的とした保険。
- 学資保険という名前だが、仕組みは養老保険と同じ。
2.学資保険のメリット
- 銀行よりも増える
- 親が亡くなっても安心
- 強制力がある
- 節税効果
主なメリットはこの4つが挙げられると思います。
それでは順番に解説していきたいと思います。
1.『銀行よりも増えますよ』
ママ友から銀行よりも増えるし、やっておいた方が良いって言われたけど。
そうですね、周りの人からそう聞いてお問い合わせをいただくケースも多いです。
こちらは僕が以前勤めていた三菱UFJ銀行の現在の定期預金の金利です。
僕が勤めていた頃からお客さまには『銀行は預けてお金を取られるわけじゃないからいいのよ、無料で使える金庫って感じよ。』と言われていました。
それからマイナス金利に突入して更に金利は下がっているので、定期預金の金利も更に下がっているというわけですね。
ではどのくらい差があるのか比較してみようと思います。
僕の経験上、学資保険は200万円くらいで検討する方が多いので
・銀行
200万円を20年間定期預金に預け続けたとすると、細かい計算は省略しますが20年後には約4000円の利息がつている計算となります。
・学資保険
学資保険で有名なソニー生命のサイトから抜粋。
色々なプランがありますが要は預けた金額に対して108%で戻ってきますよ、ということですね。
これはプランや年齢によっても変わって来るので必ずこの限りではありませんが、例えば200万円預けると16万円が増える。
銀行定期預金の4000円対学資保険の16万円
これだけでも桁が2つ違うわけなので大きなメリットに感じますね。
更にあとでもまた出てきますが税金効果の差も出てきます。
- 2018年8月時点で、最も増える学資保険だと約20年で8%程度増える。
- 貯める金額によっては、銀行の定期預金と比較をすると10万円単位で多く増える。
2.『万一のことがあっても教育費は安心ですよ。』
お金が増えるだけではなく、万一の際にもしっかりと保障されますのでご安心ください。
銀行よりも増えて、保険も付いてるならお得ね。
ちなみにここは少し普通の生命保険と違うところです。
普通の生命保険は例えばお父さんが被保険者という形になります。
要は保険の対象となる人ですね。
この人が亡くなってしまうと、手続きをすると保険会社から例えば1000万円という保険金が受け取ることが出来る。
これが学資保険は被保険者は子どもになります。
で、契約者がお父さん。
普通、保険は契約者が亡くなっても保険として何かお金を受け取るということは出来ない仕組みです。
それは学資保険も例外ではありません。
ではどういう仕組みになっているのか?
学資保険は契約者であるお父さんが亡くなったら保険料払込免除になるというわけです。
要はお父さん亡くなったら家計が大変だろうから保険にお金を積み立てなくてもいいですよ、でも約束通り学校行くときには渡すと約束していたお金は保険会社から支払いますね、ということです。
例外的ですが、育英金といって亡くなった場合のみ貰えるタイプの学資保険もあります。
しかし、これは元気に最後まで積み立てた場合、トータルで積み立てた金額よりも少ない金額しか戻ってこないタイプの学資保険なので殆ど人気はありません。
- 通常の生命保険は亡くなった場合、すぐに保険金が保険会社から支払われる。
- 学資保険は元気であっても途中で亡くなっても、決められた時期に決められた金額が支払われる。
- 途中で亡くなってしまった場合は、それ以降保険料として積み立てるはずだったお金は不要となる。
3.お金が貯まる方程式知っていますか?
お金は貯めたいけど中々貯まらない。どうしたらいいんだろう?
これは仕事しているとよく聞かれます。
貯金なんかしなくていいと思っている方は少ないと思います。
特に子どものための教育費は絶対になんとかしないとなって考える親御さんが多いかと思います。
普段あまり外食とかしない人も、ボーナス出た後だと焼き肉とかお寿司とか食べに行っちゃったりしませんか?
人間の心理でお金ってあると使っちゃうんですよね。
勿論そんなことないよって人もいると思いますが、中々自分で貯めることが難しいなーと考える人は多いと思います。
収入からまず貯金する分を引いて、余ったお金を使うようにすれば貯まりやすいですよ。
なんだ、そんなことかって思われるかもしれませんが、お金を貯めたり増やしたりっていうのは案外こういう地道で簡単に出来ることの積み重ねだと思っています。
収入から貯蓄分を引き抜くのが例えば財形貯蓄だとか持株会とかそういったものですね。
保険も決まった日に決まった金額が引き落としになるというものですから、やはりそういった効果があります。
そして保険を途中で解約してまで自分の贅沢に使おうって人は中々いないと思います。
そういった意味でこれは学資保険に限った話ではないですが保険という仕組みをうまく活用してお金を貯めるということは金利という金融的な意味だけではなく、人間の心理のところもうまく活用したメリットとなっています。
- 貯金を上手にするには収入➖貯蓄=残った分から支出の方程式。
- 保険を活用してお金を貯めるとこの方程式を使った仕組み作りができる。
4.お金を貯めているのに節税?
株とかだと儲かると税金で取られちゃうって聞いたけど、学資保険もそうなのかしら?
安心してください。学資保険で税金かかることはほとんどありませんよ。
お子さんが大学に入学する際に一括で受け取れるタイプは一時所得。
お子さんが例えば大学に行っている間に年金のような形で受けとれるタイプは雑所得。
というものに分類されます。
上記で例にあげたソニー生命の学資保険の場合
1型、2型は一時所得
3型は雑所得
となります。
どちらを使うかによって税金の計算方法が違いますが、
一時所得の場合は自分が貯めた金額に対して50万円以上増えなければ非課税。(トータルで1,000万円近く貯めると50万円以上増えるイメージです。)
雑所得の場合は現状の金利水準だと1,000万円近く貯めなければ非課税。
(2018年8月時点)
といった具合で考えてもらえたらと思います。
税金に関しては実際にお金を受け取る時の税制が適用となるので、これは都度担当者に確認をするなりした方がいいかと思います。
また詳しくは別途書きたいと思いますが、ここでは簡単に。
学資保険は生命保険料控除というものの対象となってきます。
生命保険料控除とは毎年所得税と住民税が少しだけ安くなるという制度です。
学資保険は貯金感覚でされる方が多いと思いますが、貯金をするだけで毎年の税金も安くなり、お金が増えているのに最後受け取る時の税金もかからないケースが多い。
やはりこれも銀行などと比較をするとメリットになってくるかと思います。
- 基本的に学資保険でお金を貯めても税金はかからない。
- それどころか、場合によっては学資保険を始めることによって毎年の税金が安くなる場合もある。
ここまで学資保険のメリットをまとめてみました。
良いじゃん良いじゃんと思った方もいるかもしれません。
しかし冒頭でも書きましたが、僕は自分で学資保険に入りたいと思ったことは一度もありませんし、世のパパやママもやはり入るべきではないと思っています。
この理由は学資保険のデメリットにてご説明したいと思います。