【投資信託】知らないと損をする?【実質コスト】
投資をする際にはコストを考える。
何を当たり前の話を、と思われるかもしれませんが、投資をこれから始めてみようかなっていう方は是非ともこの意識を持っていただけたらと思います。
しかし、このコスト。
気を付けないと見落としてしまう罠が潜んでいますので、それをまとめたいと思います。
1.そもそも投資信託のコストとは?
そもそも投資信託のコストとはどういったものがあるのか?
他にも税金がかかってくるケースもありますが、今回は手数料に絞ってお話をしたいと思います。
購入手数料は文字通り購入する際にかかる手数料です。
投資信託の場合は高いもので購入金額の4.32%といったものから、0と全くかからないものまで様々です。
もしも購入手数料4.32%の投資信託を100万円分、購入するのであれば別途43,200円かかるか、43,200円弱引かれた金額が運用に回るかのどちらかとなります。
購入手数料に関しては自分のお金がダイレクトに引かれるというイメージを持つ方が多く、意識するすることが殆どです。
続いて信託報酬。
こちらは単語を見てもよくわからないと思いますが、投資信託を保有している間にかかるコストだと思ってください。
といっても別途お金を取られるというわけではなくて、内々でコストを引かれてその結果運用のパフォーマンスが決まるという仕組みですね。
信託報酬が1%の投資信託で100万円分運用をしていたとして、年間10%の利益が投資信託で出たとすると本来なら110万円となりますが、約1万円の信託報酬が引かれるので、結果約109万円となります。
信託報酬は目に見えない部分でお金が引かれるので、あまり意識されないことが多いように感じます。
最後に解約時にかかる信託財産留保額。
これは金融機関がいただく手数料とは違います。
ざっくり説明をするとAさんとBさんが共同で投資信託を保有しいていたとします。
途中でAさんが投資信託を解約したいというと、当然投資信託の一部を換金してAさんに支払う必要があります。(その際に手数料が投資信託としては発生します。)
そうするとBさんがその手数料を負担するという話になってしまうので、そうならないように手数料の一部をAさんも負担してね、というものです。
ですので、この信託財産留保額は長期運用を考える方には一概にコストだから悪いものとは考えない方がいいかと思います。
上記で挙げた3つのコストはパンフレットを見れば必ず載っています。
ネット証券で自分で購入する際は必ずチェックをしましょう。
もしも銀行や証券会社で担当者から購入する際にこの3つをきちんと説明しない担当者だったら、その人から購入は絶対にやめた方がいいです。
投資信託は購入時、保有期間、解約時3つのタイミングでコストが発生する。
購入手数料はダイレクトに引かれるので大体みんな意識をする。
信託報酬は目に見えないところで引かれるので注意が必要。
信託財産留保額は一概に悪いものではないので、それほど意識する必要はない。
2.見落としがちなコストとは?
保有期間中に信託報酬以外にコストが発生する?
結論から言うと保有時には信託報酬以外にも発生しているコストがあります。
パンフレット等を見ると信託報酬の下に「その他費用がかかる」といった感じで書いてあります。
細かく分類すると監査費用だったり、有価証券取引税だったりと書いてありますが細かく知る必要はないです。
大切なのはこのコストは毎年かかるものなので気を付けないといけないのに、事前にどのくらいかかるかわからないということです。
せっかく購入手数料や信託報酬を比較して安い投資信託を選択したのに、その他の部分でコストが高くなっていましたでは目も当てられません。
ちなみにこのその他費用ですが、金融機関の人間でも存在すら知らない人や、存在を知っていても軽視している人が多いです。
具体的にどうやって確認をするの?
パンフレットにも載っていないなら調べようがないじゃないかと思われるかもしれませんが簡単に確認できます。
方法は2つありますが、ここでは簡単に調べられる方をご紹介します。
それはモーニングスターという投資信託を中心とした金融商品の情報を発信している会社のHPで確認することです。
では具体的に見方を確認してみましょう。
モーニングスターのHPのトップ画面の左上に検索するところがあるので入力します。
ここでは投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤー2017というもので2位に選ばれた「ニッセイ外国株式インデックスファンド」を調べてみたいと思います。
そうするとこういった画面が出てくるので、真ん中辺のコストというところを選択します。
まず、青のマーカーをしている部分。
これが信託報酬です。
全体で0.2%かかって、その内訳なども書いてありますが、ここでは無視して問題ありません。
要はこれがパンフレットでわかるコストということです。
次に赤いマーカーをしている部分。
これが実質コストです。
全体で0.31%かかるということです。
1万口当たり費用明細という部分に内訳も書いてありますがこれもここでは無視して問題ありません。
小数点第3位以降は省略されていたりとザックリにはなりますが、気になる投資信託があったら取り敢えずこんな感じで調べるのが楽でいいかと思います。
ちなみにもう1つの方法は決算ごとに発表になる「交付運用報告書」というもので確認する方法です。
こちらの方がより詳細に何にどのくらいの費用がかかったか確認ができますが、いちいち色々なHPに飛んで確認する必要があるので手間暇がかかってしまうので、個人的にはお勧めしません。
ちなみにこのその他費用というものは決算ごとに発表になります。
ということは、新し目のファンドだとその決算がまだ来ていなくて、発表になっていないというケースもあります。
投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤー2017の1位では楽天全世界株式インデックスファンドというものですが、これは設定日が2017年9月29日で決算日が毎年7月15日とまだ情報が揃っていないため、2位のニッセイ外国株式インデックスファンドを例に使わせていただきました。
コストが違うとどのくらい差が出るの?
ここまででニッセイ外国株式インデックスファンドは信託報酬が0.2%で、実質コストが0.31%ということがわかりました。
では続いて、こちらをご覧ください。
これは同じく投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤー2017で8位に選ばれたたわら投信ノーロード先進国株式というファンドです。
まず青いマーカーの部分を見ていただくと信託報酬が0.22%と書いてあります。
ニッセイ外国株式インデックスファンドが0.2%ですので、これだけ見るとニッセイ外国株式インデックスファンドに軍配が上がります。
しかし赤いマーカーの部分を見ていただくと実質コストが0.27%と書いてあります。
このたわら投信ノーロードの方はその他費用が安いということがわかります。
このように目に見える信託報酬が安ければ必ずしも実質コストが安いというわけではないので注意が必要です。
では本題の保有期間中のコストが違うとどの程度の差がつくかという話ですが、こちらをご覧ください。
1万円を30年間運用するという前提です。
保有期間中のコストが0.2%違うだけで約13%の差がつくというわけです。
僅かな差に感じるかもしれませんが、その僅かな差の積み重ねが大きな差となっていくので、見た目のコストだけではなく実質的なものをしっかりと考えていく必要があります。
信託報酬が安いからといって、必ずしも実質コストが安くなるわけではない。
僅かな差でも、そこに時間と金額が乗ってくると大きな差となるから注意が必要。
3.まとめ
投資信託は3つのタイミングでコストがかかるので、それぞれ意識することが大切。
保有期間中のコストは信託報酬だけではなく、その他費用という見えにくいコストがある。
コストを調べるには、モーニングスターのHPで調べるのがわかりやすい。
僅かな差の積み重ねが大きな差となるので、長期運用を考えるのであれば保有期間中のコストは非常に重要。