【明治安田生命】じぶんの積立 2018年7月14日
保険嫌いにお勧めできる保険
最近Twitterなどでもよく見かけるのがこういった文言を売り文句とした保険。
それが明治安田生命から2016年に発売した「じぶんの積立」
今回はこれについてまとめてみようと思います。
ちなみに結論から言うと自分でこれをやろうとは全く思いません。
ただ保険嫌いにもお勧めできる保険という売り文句は間違っていないかなと思います。
目次
「じぶんの積立」の仕組み
まずはこちらをご覧ください。
もうここに全てが書かれています。
入った後いつでも解約できます。
勿論これに限らず保険はいつでも解約ができます。
ただどんな保険であっても加入して1年や2年とかで解約してしまうと自分が支払った金額に対して減った金額しか戻ってこないのですが、これはいつ解約しても自分が支払った金額は最低でも戻ってくるという仕組みです。
5年間で貯金を終えて満期の10年まで持っていれば増える。
例えば月5,000円を12ヶ月積み立てると6万円になります。
それを5年間続けると30万円になります。
貯めた後5年間置いておくと9,000増えて戻ってくる、という仕組みです。
たかだか9,000円と思われるかもしれませんが、例えば金利が少し高いネット銀行で10年ものの定期預金をしたとしても年利0.02%(税引後約0.016%)ですので、同じ金額を一括で入れたとしても単純計算ですが5,000円程度しか増えません。
まぁ増えないよりは増えた方が嬉しいと思うのでどうせ銀行に入れておくのならといった感じでしょうか。
「じぶんの積立」のメリット
仕組みのところでも書いていますが、
いつでも解約ができて、いつ解約をしても自分が支払った以上のお金が戻ってくる。
満期の10年後まで持っていれば今の銀行に預けておくよりは増えて戻ってくる。
これはメリットでしょう。
あともう1つ、一般生命保険控除が使えるという点もメリットだと思います。
サラリーマンの方は毎年年末近くになると年末調整という用紙を総務に提出しているかと思います。
詳しくはまた別途まとめたいと思いますが、簡単に書くと保険入っている人は毎年所得税、住民税安くしますよっていう仕組みです。(ただし控除の上限は設けますよ。)
以前は一般生命保険料控除と個人年金保険料控除の2本立てでした。
これが2012年(平成24年)1月1日以降に関しては一般生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除の3本立てに変更となりました。
ざっくりどのくらいのメリットがあるかと言うと
例えば月々5,000円でじぶんの積立に加入したとします。
そうすると年間で6万円。(年間8万円というのが上限金額となっております。)
すると35,000円を所得から控除していいよというものです。
所得税は年収によって差がありますので、どのくらい税金が安くなるのかは人によって違いますが、例えば所得税率10%だと仮定すると毎年3,500円所得税が安くなる。
住民税は所得税の方と計算が違いますので、ざっくり上記の例で計算をすると約2800円住民税が安くなるという形になります。
6万円の積立に対して6,300円税金が安くなるということは10.5%の還付率という感じですね。
ただしこれ、注意しなくてはいけないのが税金が戻ってくるのは上限が決まっているということです。
例えば「税金が戻ってくるなら目一杯の月2万円やろう」なんて考えたとします。
月2万円ということは年間24万円。
それに対して戻ってくる税金は所得税4,000円、住民税2,800円、合計6,800円。
24万円の積立に対して6,800円なので、2.8%程度の還付率に落ち込みますので注意です。
「じぶんの積立」のデメリット
商品的なデメリットとというものは特にありません。
ですが、最初に「自分ではこれに入りたいと全く思わない」と書きました。
なぜか?
僕はこの商品のメリットをメリットと感じないし、メリットがメリットとならないことがデメリットであるからです。
ではそれを説明していきたいと思います。
まずいつでも解約ができること。
これは正直どちらでもいいと思います。
保険も入っていなくて、貯金もほとんどない、でも貯金をしたいと思っているという人はいると思います。
そういう人が貯金を始めたいけど続けられるか不安といったように感じるのはよくあることだと思うのでこの商品は向いているかもしれません。
しかし、このいつでも解約できるというのはメリットでもありデメリットでもあると思います。
いつでも解約ができるから強制力がありません。
保険で貯金をするメリットの1つは強制力だと思っていますので、それが失われるということは確かにそれだけを見ると便利なのですが、どうなのかな?と思います。
次に10年の満期まで持っていた場合3%増えるという点ですが、年利0.3%程度。
銀行よりは増えるからメリットというのは間違いではないのですが、銀行の預金金利は言わば底辺です。
底辺の商品と比較をしてどうするの?という話です。
そうは言ってもそれ以上に必ず増える商品なんかないじゃないか!と言われそうですが、果たして本当にそうでしょうか?
勿論条件付きでという話ではありますが、年利1%程度であれば確実に見込める金融商品って世の中に沢山あります。
そう言ったものと比較をするとこの商品のメリットはどうなってしまうかのか、と思います。
最後に一般生命保険料控除が使えるという点ですが、確かに保険に一切入っていないし、これからも入る予定がないという方にはいいかもしれません。
しかし多くの方は既に生命保険に入っていると思いますし、今入っていないという方も実際は必要だったり入っておいた方が良いというケースばかりです。
本当に保険が必要ないのか、今入っている保険が適切なのかを確認することの方が先決じゃないかなと思います。
まとめ
メリット
いつでも解約が出来て、いつ解約をしても自分が支払った以上のお金が戻ってくる。
10年満期まで持っていると少しお金が増えて戻ってくる。
一般生命保険料控除が使えるので、税金が安くなる。
デメリット
メリットがメリットにならないケースが多いことが問題。
いつでも解約できるということは強制力がなくなるので、メリットでもあるがデメリットにもなってしまう。
利回りとしては底辺の銀行金利と比較をして増えるという話をしても意味がない。
本当に他のもので保険料控除を使えないのかを確認する必要がある。
商品だけを見たら決して悪くはないと思いますが、全体的なバランスから見ると個人的にはイマイチだと思うので自分で入りたいとは一切思いません。