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メガバンク出身のファイナンシャルプランナーによる、なるべくわかりやすい言葉で金融商品についてまとめていくブログです。

【運用方法】ドルコスト平均法【投資初心者必見】 7月31日

運用ってやってみたいけど、どうやったらいいのかわからないし、損をするのが恐いですね。

絶対に損をしないということは難しいけど、初めての人が始めやすいやり方あるのはご存知ですか?

証券会社で相談をしたら、保険の仕組みを使うと最悪でも元本保証って言うのがあるって勧められたけど。

 

今まで資産運用というものをやったことがないけど、興味はある。

でも損はしたくないし、始めるタイミングとかもよくわからない。

こういう方は多いと思います。

実際、銀行で働いていた時もそうですし、今もこの手の質問はよくされます。

 

投資を始めてみたいという方には非常にお勧めの方法だと思いますので、そちらをまとめたいと思います。

 

投資初心者 はじめての資産運用ドルコスト平均法

ドルコスト平均法とは

 

 

1.そもそもドルコスト平均法とは?

言葉だけ聞くとなんか難しそうだけど。ドルと何か関係あるのかしら?

カタカナだと難しく見えますよね。簡単に言うと毎月決まった金額を購入するということです。

 

そもそも投資というものは色々なやり方があります。

例えば手元に100万円というまとまった金額があるからそれで何か一括で購入してしまう、ということも出来ます。

手元にお金はない、もしくはあるけどまとまったお金を1度に動かすのはなんとなく怖い。そういう人は毎月コツコツ買っていく、ということも出来ます。

 

毎月購入するにも2つの考え方があります。

毎月決まった量を買うのか(定量購入)、毎月決まった金額で買うのか(定額購入)

 

この毎月決まった金額で購入するという手法のことをドルコスト平均法と呼んでいます。

 

POINT
  • 投資にはまとまった資金で一括で買うという方法以外に、コツコツ積み立てるという方法もある。
  • ドルコスト平均法は決まった金額でコツコツ買っていく投資手法。

 

2.具体的にどういう効果があるの?

毎月決まった量を買うのも、毎月決まった金額で買うのも大して変わらないんじゃないの?

そう思いますよね。では具体的に確認してみましょう。

投資資産運用初心者 ドルコスト平均法

定量購入とドルコスト平均法の比較

 

まず大切なのは投資の成績というものは量×価格で決まるということです。

 

例えば1月から6月の半年間投資をしたとします。

図のように1月は1,000円だったものが2月は800円、3月は1,100円、、、といったように推移していったとします。

 

定量購入の方は何があろうと毎月10口を購入したとします。

ドルコスト平均法の方は毎月10,000円だけ購入すると決めたとします。

 

そうすると半年経った時点で比較をしてみると1口あたりの平均購入単価がドルコスト平均法の方が17円安くなるという結果になります。

 

投資の基本的な考え方は安く買って、高く売る。

 

誰でも高く買いたいとは思わないはずです。

でも今の価格が高いのか安いのかは後になってみないとわからない。

 

そんな時にこのドルコスト平均法を活用して、始めてみてください。

 

結果的に価格が下がっているときは多くの量を買うことができ、価格が上がっているときは少ない量しか買わないので、最終的には1口あたりいくらで買ったのかという平均購入単価が下がってくるというわけです。

 

POINT

 

3.メリットしかないの?

ドルコスト平均法、凄く良さそう。早速始めてみようかな。

ちょっと待ってください。今まではメリットだけをお伝えしましたが、ドルコスト平均法も万能ではありませんよ。

 

少ない金額から始めることが出来て、しかも安く買える。

確かにこれだけ聞くと万能な投資方法だと思います。

 

しかしながらドルコスト平均法も万能ではありません。

 

メリットのところでは価格が下がっあとに、上がって、また下がるといういわゆる一般的な相場の動き方を例にして説明をしました。

 

しかし当然世の中様々な投資商品がありますので中には右肩上がりで上がり続ける、右肩下がりで下がり続けるといったケースも考えられます。

 

例えば右肩上がりの場合は結果的に始めたときが1番価格が低かったということになります。

ということはその時に一括でまとめて買っていた方が良かったなという話になります。

 

右肩下がりの場合は確かに購入口数はドンドン増えていきますが、いつまで待っても価格が上がらなければ、傷口をドンドン広げているのに、損失確定を先延ばしにしてただけということに繋がりかねません。

 

ただしこんなことはどちらも現時点ではわかりません。

 

「たら、れば」は博徒が語っちゃならねえ、最大の禁句だ。

 

麻雀漫画ですが、天牌という漫画に出てくる三國健次郎というトップクラスの打ち手の言葉です。

 

勿論、投資はギャンブルではありません。

しかし、この考え方というものは投資の世界にも通じるものがあります。

 

『あの時に買っておけば良かった。』

『あそこで売っていれば良かった。』

 

思うのはしかたありませんが、でも今が買い時なのか売り時なのかは誰にもわかりません。

だからそんなことは考えるだけ無駄なのです。

 

確かにドルコスト平均法よりも有利な買い方がある場合もあるし、ドルコスト平均法だからといって必ず損失が出ないというわけではありません。

じゃあまとまった金額でいきなり投資をするのか?今が買い時かどうかどうやって判断するのか?こういったことを考えて、投資への一歩を踏み出さないくらいであれば、ドルコスト平均法という始めやすい投資方法で第一歩を踏み出すべきだと個人的には思います。

 

POINT
  • 相場の動き方によってはドルコスト平均法よりも有利なケースや、ドルコスト平均法でも損失が出るケースはある。
  • 投資にたら、ればは禁物。
  • 万能ではないが、初心者が始めやすい手法ではあるので悩むのであればドルコスト平均法でまずは投資の第一歩を踏み出すべき。

 

4.まとめ

  1.  毎月決まった金額でコツコツ積み立てる投資方法をドルコスト平均法と呼ぶ。
  2. 安い時に買い、高い時に売るのが投資の基本的な考え方。
  3. 投資の成績は量×価格で決まる。
  4. ドルコスト平均法によって、安いときは量を多く買い、高いときは量を少ししか買わないということができる。
  5. ドルコスト平均法は万能ではないので、相場の動き方によっては不利になるケースもある。
  6. たら、ればは投資においては禁物。
  7. ドルコスト平均法は投資初心者が最初の一歩を踏み出すには良い方法。

 

5.おまけ ドルコスト平均法は勧められることが少ない?

ドルコスト平均法が良いことはわかりました。でも銀行とか証券会社で勧められたことがないけど、なんでだろう?

そうなんですよ。投資初心者にはお勧め出来る方法なのに銀行とかではあまり勧めたがらないんです。

 

僕の普段の仕事で銀行や証券会社で〇〇を勧められたんだけど、どうなんですか?という問い合わせはよく受けます。

 別にその商品自体が良いのか悪いのかはどちらでも良いのですが、1つ言えることはみんな一括で購入する商品ばかり勧められているということ。

 

銀行では積立が出来ない?

証券会社の人は相場に詳しいから、買い時がわかる?

 

どれも違います。

答えは簡単で営業マンの成績にならないからです。

 

例えばお客さんが100万円持っていたとします。

で、投資信託を例にしてお話しすると、営業マンの成績は基本的に購入手数料で計算をされます。

商品にもよりますが、0%から約4%と様々ですが仮に3%と仮定すると、100万円一括で購入してもらうと3万円の収益を上げたという計算になります。

 

しかし100万円あるから毎月1万円ずつ約8年積み立てましょうか、と提案をすると1万円×3%で300円の収益を上げたとしか計算されないのです。

 

勿論銀行からすると結果的に100万円を買ってもらえたら一括だろうが、分割だろうが同じ収益となります。

しかしながら営業マン個人としては成績が100倍変わってくる。

 

最近は積立NISAなどに伴って積立提案も以前よりは増えてきていると思いますが、これが銀行や証券会社であまり積極的に積立投資を勧めない理由の1つだと思います。