三菱東京UFJ銀行を辞めるまでの5年半
職場の飲み会で、仕事や上司、会社の愚痴を酒の肴にしていませんか?
個人差あると思いますが、こういう人って多分多いと思います。
僕も勿論そうでした。
話は遡ること、2008年4月。
僕は三菱東京UFJ銀行(2018年4月より三菱UFJ銀行に改名)に入行しました。(一般的には入社と言うと思いますが、銀行では入行と呼びます。)
三菱東京UFJ銀行と言えば就職ランキングでは常に上位の人気企業の1つだと思います。
大学生時代はとにかく遊ぶのに明け暮れていて、勉強や就職活動を特別頑張っていたわけでもないがとんとん拍子で就職が決まり、多くの人に『遊んでてもなんだかんだうまくやるよな~』と言われていました。
そんな僕は5年半経った時、勤めていた三菱東京UFJ銀行を退職しました。
今はサラリーマンではなく、個人事業の営業コンサルタントとして保険会社で働いています。
銀行では幅広い金融知識、コンプライアンスなど、社会人として働くまた大人として豊かに過ごす上で大切な多くのことを学ぶことが出来ました。
未だに『なんで天下の三菱をやめちゃったの?』という質問はよくされます。
まず初めにお伝えしておきたいのが、
僕は銀行で働くことがとても楽しかった。
銀行に就職できて良かった。
と思っているということです。
銀行というと一時期高視聴率だったドラマ半沢直樹のような法人への融資といった業務を思い浮かべる人が多いと思いますが、僕はリテール部門での採用でした。
リテール部門の仕事と言うのは主に個人の富裕層を相手に資産運用、相続、不動産の有効活用と絡めた事業性の融資といった、要は個人のお金に関するなんでも屋さんです。
具体的にどのような仕事だったのか詳しくはまた別途書きたいと思います。
では仕事も楽しかった、職場の人間関係にも特に悩みがなかった僕がなぜ銀行を退職したのか?
銀行よりももっと面白い仕事に出会えたから。
これに尽きます。
今の仕事についてはまた別途書こうと思いますが、ここでは銀行を辞めるまでについてもう少し詳しく紹介しようと思います。
先ほど仕事も楽しかった、職場の人間関係に悩みもなかったと書いたが、それは少し正確ではなく勿論不満に思うことも沢山ありました。
1.銀行に対して不満に思っていたことは?
銀行と言うところは意味のない事務作業と言うものが非常に多いです。
「お客さまのために仕事をする」というフレーズを社訓のようにしている会社は珍しくないと思うが、「銀行のための仕事」「仕事のための仕事」というものは非常に多かったように感じます。
銀行を守るためだけにお客さまにも働き手にも負担を強いる作業や、本当に何の意味もなく『昔からやっているから』という理由だけで毎日繰り返す単純作業は数多くありました。
何年か前からAIの導入やペーパレス化によって銀行の仕事は無くなると言われていますが、これは本当にあり得る話だと思っています
さらに半沢直樹を見ていた方は記憶にあるかもしれないが、銀行、特にメガバンクは年功序列の縦社会であると同時にとにかく固い。
年上を敬う。
これ自体は当たり前かと思いますし、それに対してどうこう言うつもりはありませんが銀行における年功序列というのは2つの意味があります。
1つ目は上司や本部の言うことは絶対。
上司に従うだけでいいのかどうかという話は置いておいて風通しが悪いというシーンは何回も見てきました。
個人的には、本来客商売と言うものはお客さまが第一でありお客さまの利益を優先させたその先にビジネスとしての利益を生むものだと思っています。
ただ銀行では上司が言うから、本部の施策だからという理由で「一体誰のために仕事をしてるんだっけ?」という状況になることは珍しくなかったです。
2つ目は給料。
銀行と言うところは努力や実績を給料と言うものではほぼ評価してくれません。
僕は5年半勤めていて、目標となる営業成績も常に100%から200%くらいの達成率でしたが、給料は同期とほぼ変わることがなかったです。
銀行の給料の仕組みに関してはまた別途書きたいと思いますが、別にお金のために働いているわけじゃない!なんて綺麗事を言うつもりはありません。
僕はお金よりもワークライフバランスを重視したいと思っていますが、お金があるのとないのでは色々と変わってくるのも事実です。
どんなに頑張って目標と言う名のノルマを達成しても、全く数字の上がっていない40代後半の先輩の方が給料が高い。
これではモチベーションも上がらないと思います。
なんとなく銀行で働くということにもやもやしている時に今の会社からヘッドハンティングの話が来ました。
正直迷いました。
なぜなら今まで銀行の不満を書いていましたが、当たり前ですが良かったことも沢山あったからです。
2.銀行の良かったことは?
これは上でも書きましたが、幅広い金融知識を身に付けられたことです。
僕は就職活動の時には金融機関しか考えていませんでした。
金融機関と言うと銀行、証券会社、保険会社もありますがなぜ銀行を選んだのか?
それは僕の学生時代の認識が銀行=お金のデパートという感じだったからです。
なので取りあえず銀行なら金融の幅広い知識を付けられるんじゃないか?という考えでした。
Twitterとかを見ていると独立した方などが
サラリーマンオワコン
みたいなのを見たりしますが、全く思いません。
銀行では給料を貰いながら幅広い金融知識、それも実践的な知識をつけさせてくれたのですから感謝しかありません。
あとはこれは地味かもしれませんが、結構あったのが圧倒的なステータス。
メガバンク銀行員。
これって色々と受けがいいんですよね、不思議と。
社会的にも「メガバンクならしっかりしているに違いないし、将来安泰だね。」という感じの評価を受けることが多いし、合コンとかでも「銀行員!凄いね!頭良さそうだし、お金も持ってそう!」みたいな感じのことが多かったです。笑
他にも僕のいた支店は先輩も後輩も同期も良い人が多くて、銀行を辞めてもう5年近く経ちますが未だに遊びに行ったりご飯を食べに行ったりしています。
が、これは銀行だったからというわけではなくたまたま僕の配属先が良かっただけということもあるのでまぁ詳しくは割愛します。
このような感じで銀行で働いていて良かったことは沢山ありました。
しかし、僕は銀行員というステータスを捨てて転職をするという結論を出しました。
理由は色々とありますが、何よりも大きな理由。
早くこの会社で働いてみたい。
ヘッドハンティングの話なので勿論良いことばかり言われていただけかもしれません。
しかし自分の気持ちがそう動いてしまった以上、その気持ちに嘘をついて1週間の半分以上を仕事という時間にあてるというのが我慢出来なくなりました。
そして緊張しながら意を決して上司に退職届を提出しました。
銀行で働くことに迷っている方へ伝えたいこと
迷っているということは既に気持ちは次の仕事に行っているのではないかと思います。
それでも迷っているということは、僕も少しそういった点はあったのでわかりますが、おそらく
銀行と言う社会的なステータスを捨てることや世間体を気にしている。
別に悪いことではありません。
でも『大して働いていないのにすぐ辞めてこいつ大丈夫かな?』『出世競争で脱落したのかな?』って思われないかなと勝手にネガティブになっていませんか?
そんなこと絶対にありません。
勿論心の中で思っている人もいるかもしれません。
でもそういった人たちは自分のテリトリーからは自然と居なくなっていくと思います。
そして転職をして大きく変わったことが一つありました。
それは
飲み会が楽しい。
一番初めに皆さんに問いかけた話になります。
そんなことか、と思われるかもしれません。
でも単純に楽しい、つまらないの話ではありません。
振り返ってみると銀行は驚くほど飲み会が多い職場でした。
銀行と言うところは月1回くらい支店の誰かしらが転勤し、誰かしらが転勤してきます。
なのでそれの歓送迎会。
支店全体でやったり、部内でやったり、有志でやったり。
それとは別に普段から普通に何人かで飲み会。
僕はお酒は飲みませんが、平日5日のうち4日は銀行の誰からしらと飲み会をしていたと思います。
問題はそこでの話題。
皆さんも経験があるかもしれませんが、「会社の愚痴、仕事の愚痴、上司の愚痴」酒の肴にしていませんか?
それはそれで楽しいんですが、それって生産性あるか?と言われたら僕は無いと思っています。
今の会社では社内の飲み会がそんなにやるわけではないですが、
基本的に愚痴とかありません、不満があるならどうしたら改善されるのか話す。
これって大した話に感じないかもしれませんが、結構凄いことだと思っています。
みんなが仕事というものに対してストレスを感じることなく、毎日楽しく過ごしているという証明かなと思います。
勿論、普段からそんな意識高い感じばかりではなく多くは馬鹿話して終わるんですがね。笑
一度しかない自分の人生です。
社会的なステータスと言う形のないもので身を固めることが悪いとは思いません。
それよりも楽しく毎日働いて生活していきたい。
そんな想いが僕の場合は上回ったに過ぎません。
転職した結果、「やっぱり銀行の方が楽しかったな。銀行に戻りたいな。」って思ったかもしれません。
【失敗からは学びが、成功からは賞賛が得られる。
ということは挑戦することはプラスしかないんだよ。】
これは今の会社の先輩が普段から言っている言葉です。
よく人生は短いと言われます。
そして社会人として働く時間は人生の半分を占めています。
そんな大切な時間を仕事に対する想いに何かと理由をつけて蓋をしながら毎日作業のように仕事をこなす。
それでは勿体ないと思います。
社会や他人を変えるのは難しいです。
人生を変えたいなら自分が変わるのが一番手っ取り早い方法だと思っています。
この記事が、人生において仕事が理由で悩んでいる方の何かの手助けになれば幸いです。