Money Pedia

メガバンク出身のファイナンシャルプランナーによる、なるべくわかりやすい言葉で金融商品についてまとめていくブログです。

【米ドル建て生命保険】比較するべきポイント

米ドル建て生命保険に入ろうと思うけど、どこの商品が良いの?

これってお客さんと商談しているとたまに聞かれます。

この記事を読んでいる方もそれが気になって読まれているのかと思います。

ただいつも思うのですが、「自分が営業を受けている人に聞いても意味なくないですか?」ということです。

僕は一社専属の保険会社の人間なので、他社の方がいいねという話になってしまうと当然営業的には困るのですが、こういう質問をされた時は基本的にありのまま話してしまいます。

と言うのも例えば嘘をついたりして契約してもらっても意味がありませんし、単純な商品の性能だけを見て契約するか否かを決める方をお客さんにしたいと思えないからです。

でもそういう時に自社の優れている部分だけを強調したり、本来比較する必要があるべきところをあえて説明しなかったりでうやむやにする方が多いように感じます。

 

ではどういった点を具体的に比較すると良いのかいくつかポイントをまとめたいと思います。

 

 

米ドル建て生命保険の比較するべきポイント

 

  1. 解約返戻率
  2. 死亡保障に対してどの程度の保険料を支払うか
  3. 保障の内容
  4. 為替手数料
  5. 契約後のメンテナンスのしやすさ

大きなところですと、この5つを比較すると十分かなと思います。

では1つずつ解説していきたいと思います。

 

1、解約返戻率

【例】

トータルで支払う保険料:1万ドル

60歳時点で解約した時に保険会社から受け取れるお金:1万2千ドル

→60歳時点の解約返戻率は120%

 

歳時点で解約した時に保険会社から受け取れるお金:1万5千ドル

→70歳時点の解約返戻率は150%

 

 

殆どの営業マンが米ドル建て保険のメリットで積み立てた際の率が高いと言うところをメリットとして話すと思います。

お客さま側もそこが良いと思って米ドル建て保険に興味を持つ方が多いと思います。

どうせお金を積み立てるのであれば、増えないよりは増えた方が良いので60歳時点の解約返戻率が120%よりは125%の方が良いと思うのは顧客心理としては普通のことかなと思います。

 

ただ1つだけ言っておきたいことは

 

解約返戻率だけをセールスポイントとして勧めて来る営業マンからは加入しない方が良い。

 

ということです。

 

また保険商品の比較をしているサイトを見ていてたまに見かけるのが

 

A社:予定利率3%

B社:予定利率3.5%

なのでB社の方が良いです。

 

といった感じの記事です。

予定利率というものは簡単に言うと保険会社の金利といったイメージです。

確かに保険商品の解約返戻率や金額というものは予定利率によってある程度は左右されますが、他にも保険商品の解約返戻率や金額を左右するものはあるので、予定利率だけを見て比較するのは注意が必要です。

 

 

2、死亡保障に対してどの程度の保険料を支払うか

 

【例】

自分が亡くなった時に家族が受け取ることのできる保険金:10万ドル

 

トータルで支払う保険料:約4万ドル

 

この場合自分が4万ドルを支払うと10万ドルという保険を買うことが出来るというイメージですね。

同じ10万ドルという保険を買う時に4万ドルより3万ドルの方が良い。

同じ商品を買うのに400万円出して買うのか300万円出して買うのかで前者を選ぶ人はいないと思います。

 

『でも米ドルの保険は積立目的でやろうと思っているし、保険の部分はあまり気にしていませんよ。』という方もいらっしゃるかもしれません。

 

保険の部分をないがしろにして、積立という機能だけを勧める営業マンからは加入しない方がいいです。

 

これは別に保険は重要なので保険をしっかり考えましょうとかそういった話ではなく、積立と言う部分だけを論じている営業マンは全体のバランスを考えるということが出来ていないからです。

これがどういうことなのかはまた別で記事にしたいと思いますが、とりあえず自分がトータルでいくら支払うといくらの保険になるのか?ということは重要なポイントになってきます。

 

3、保障の内容

 

保険と言うと一般的な方が思い浮かべるものは

亡くなったら保険会社から受け取れる→生命保険

病気になって入院したり手術したら保険会社から受け取れる→医療保険

 

米ドル建ての保険商品の場合は、医療保険と言うものはありません。(2018年5月時点)

 

ただ実は亡くなった場合以外にも保険として色々な機能があったりします。

亡くなった時に受け取れる

癌になった時に受け取れる

障害になった時に受け取れる

介護になった時に受け取れる

癌になったら保険料を支払わなくても良い

等々

 

これも『積立目的だから保険の内容はどうでもいいですよ。』と思われる方もいらっしゃると思いますが、どうせ保険を使って積立をするなら保険の内容も考えた方が一石二鳥ではないでしょうか?

 

4、為替手数料

 

これは【米ドル建て生命保険】基本的な仕組み、メリット、デメリットで記載していますが、保険会社に保険料を支払う時、保険会社からお金を受け取る時にそれぞれ手数料が発生しています。

 

bankmoney.hatenablog.com

 

 

手数料と言うことは単純にコストなので、安いに越したことはないです。

保険契約をする際に重要事項を必ず説明するのですがそこに必ず為替手数料に関しては説明があります。

営業マンによってはここで初めて為替手数料について触れるという人も多いので、気になるようであれば事前に確認しておきましょう。

 

5、契約後のメンテナンスのしやすさ

 

 保険は契約をしたらそれでおしまい。

と考えている方は多いと思います。

お客さま側も保険を契約しようとしている時は色々と調べますよね、営業マン側も契約時は丁寧に説明をしたり商品のメリットを説明したりします。

 

しかしながら当たり前のことですが、保険は保険として受け取る時や貯まっているお金を受け取る時というゴールに向けて皆さん考えると思います。

 

大体の方はスタートからゴールまで結構長い期間あります。

途中で当初の予定とは色々と変わったりもすると思います。

その時にメンテナンスをどのようにするか?というのは非常にポイントとなってきます。

保険の見直しというと古い契約を解約して、新しい契約をするという風に考える方が多いと思います。

ではメンテナンスとはどういうことがあるのか?

前納

払済

復旧

契約者貸付

自動振替貸付

等々

 

これらはほんの一例です。

一生使わないメンテナンスもあると思います。しか状況によっては非常に重要となるポイントでもあります。

特に米ドル建ての保険の場合は為替が関係してくるため、これらのメンテナンスを有効に使えるか否かで大きく変わってきてしまいます。

こういった手続きをどのように活用するのかなどはまた別途記事にしていきたいと思いますが、こういったメンテナンスが出来るのかどうかといったことはしっかりと確認をする必要があると思います。

 

 

いかがでしたでしょうか?

これは色々な保険会社で比較するしないに関係なく、この5つのポイントはしっかりと押さえた上で契約するべきポイントだと思います。

是非参考にしていただけたらと思います。