【明治安田生命】じぶんの積立 2018年7月14日
保険嫌いにお勧めできる保険
最近Twitterなどでもよく見かけるのがこういった文言を売り文句とした保険。
それが明治安田生命から2016年に発売した「じぶんの積立」
今回はこれについてまとめてみようと思います。
ちなみに結論から言うと自分でこれをやろうとは全く思いません。
ただ保険嫌いにもお勧めできる保険という売り文句は間違っていないかなと思います。
目次
「じぶんの積立」の仕組み
まずはこちらをご覧ください。
もうここに全てが書かれています。
入った後いつでも解約できます。
勿論これに限らず保険はいつでも解約ができます。
ただどんな保険であっても加入して1年や2年とかで解約してしまうと自分が支払った金額に対して減った金額しか戻ってこないのですが、これはいつ解約しても自分が支払った金額は最低でも戻ってくるという仕組みです。
5年間で貯金を終えて満期の10年まで持っていれば増える。
例えば月5,000円を12ヶ月積み立てると6万円になります。
それを5年間続けると30万円になります。
貯めた後5年間置いておくと9,000増えて戻ってくる、という仕組みです。
たかだか9,000円と思われるかもしれませんが、例えば金利が少し高いネット銀行で10年ものの定期預金をしたとしても年利0.02%(税引後約0.016%)ですので、同じ金額を一括で入れたとしても単純計算ですが5,000円程度しか増えません。
まぁ増えないよりは増えた方が嬉しいと思うのでどうせ銀行に入れておくのならといった感じでしょうか。
「じぶんの積立」のメリット
仕組みのところでも書いていますが、
いつでも解約ができて、いつ解約をしても自分が支払った以上のお金が戻ってくる。
満期の10年後まで持っていれば今の銀行に預けておくよりは増えて戻ってくる。
これはメリットでしょう。
あともう1つ、一般生命保険控除が使えるという点もメリットだと思います。
サラリーマンの方は毎年年末近くになると年末調整という用紙を総務に提出しているかと思います。
詳しくはまた別途まとめたいと思いますが、簡単に書くと保険入っている人は毎年所得税、住民税安くしますよっていう仕組みです。(ただし控除の上限は設けますよ。)
以前は一般生命保険料控除と個人年金保険料控除の2本立てでした。
これが2012年(平成24年)1月1日以降に関しては一般生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除の3本立てに変更となりました。
ざっくりどのくらいのメリットがあるかと言うと
例えば月々5,000円でじぶんの積立に加入したとします。
そうすると年間で6万円。(年間8万円というのが上限金額となっております。)
すると35,000円を所得から控除していいよというものです。
所得税は年収によって差がありますので、どのくらい税金が安くなるのかは人によって違いますが、例えば所得税率10%だと仮定すると毎年3,500円所得税が安くなる。
住民税は所得税の方と計算が違いますので、ざっくり上記の例で計算をすると約2800円住民税が安くなるという形になります。
6万円の積立に対して6,300円税金が安くなるということは10.5%の還付率という感じですね。
ただしこれ、注意しなくてはいけないのが税金が戻ってくるのは上限が決まっているということです。
例えば「税金が戻ってくるなら目一杯の月2万円やろう」なんて考えたとします。
月2万円ということは年間24万円。
それに対して戻ってくる税金は所得税4,000円、住民税2,800円、合計6,800円。
24万円の積立に対して6,800円なので、2.8%程度の還付率に落ち込みますので注意です。
「じぶんの積立」のデメリット
商品的なデメリットとというものは特にありません。
ですが、最初に「自分ではこれに入りたいと全く思わない」と書きました。
なぜか?
僕はこの商品のメリットをメリットと感じないし、メリットがメリットとならないことがデメリットであるからです。
ではそれを説明していきたいと思います。
まずいつでも解約ができること。
これは正直どちらでもいいと思います。
保険も入っていなくて、貯金もほとんどない、でも貯金をしたいと思っているという人はいると思います。
そういう人が貯金を始めたいけど続けられるか不安といったように感じるのはよくあることだと思うのでこの商品は向いているかもしれません。
しかし、このいつでも解約できるというのはメリットでもありデメリットでもあると思います。
いつでも解約ができるから強制力がありません。
保険で貯金をするメリットの1つは強制力だと思っていますので、それが失われるということは確かにそれだけを見ると便利なのですが、どうなのかな?と思います。
次に10年の満期まで持っていた場合3%増えるという点ですが、年利0.3%程度。
銀行よりは増えるからメリットというのは間違いではないのですが、銀行の預金金利は言わば底辺です。
底辺の商品と比較をしてどうするの?という話です。
そうは言ってもそれ以上に必ず増える商品なんかないじゃないか!と言われそうですが、果たして本当にそうでしょうか?
勿論条件付きでという話ではありますが、年利1%程度であれば確実に見込める金融商品って世の中に沢山あります。
そう言ったものと比較をするとこの商品のメリットはどうなってしまうかのか、と思います。
最後に一般生命保険料控除が使えるという点ですが、確かに保険に一切入っていないし、これからも入る予定がないという方にはいいかもしれません。
しかし多くの方は既に生命保険に入っていると思いますし、今入っていないという方も実際は必要だったり入っておいた方が良いというケースばかりです。
本当に保険が必要ないのか、今入っている保険が適切なのかを確認することの方が先決じゃないかなと思います。
まとめ
メリット
いつでも解約が出来て、いつ解約をしても自分が支払った以上のお金が戻ってくる。
10年満期まで持っていると少しお金が増えて戻ってくる。
一般生命保険料控除が使えるので、税金が安くなる。
デメリット
メリットがメリットにならないケースが多いことが問題。
いつでも解約できるということは強制力がなくなるので、メリットでもあるがデメリットにもなってしまう。
利回りとしては底辺の銀行金利と比較をして増えるという話をしても意味がない。
本当に他のもので保険料控除を使えないのかを確認する必要がある。
商品だけを見たら決して悪くはないと思いますが、全体的なバランスから見ると個人的にはイマイチだと思うので自分で入りたいとは一切思いません。
【みずほ銀行】住宅ローン 2018年7月13日
これは銀行員時代に住宅ローン担当だった先輩とよく話していた内容です。
事実、銀行員時代みずほ銀行と競合すると結構高い確率で負けていました。
たまに負けるという程度ならたまたまということもありますが、繰り返すには理由があります。
今回はそんなみずほ銀行の住宅ローンについて、まとめていきたいと思います。
みずほ銀行の住宅ローン金利、仕組み
まずはここが気になるところだと思います。
ではこちらをご覧ください。
みずほ銀行の住宅ローンのトップページに行って少しスクロールするとこういった画面が出てきます。
続いて入口の段階から違ってくるのですが、みずほ銀行の住宅ローンには大きく分けると2種類の選択肢があります。
1つ目はネットで完結させるネット住宅ローン。
2つ目は他のメガバンクと同じように店頭に行って手続きを行う住宅ローン。
全期間重視プランの例でお話をすると1つ目のネット住宅ローンは常に店頭金利から-1.95%してくれるというわけです。
2つ目の住宅ローンは他のメガバンクと同様に-1.85%してくれます。
では住宅ローンの店頭金利一覧を見てみましょう。
これだけ見てもみずほ銀行の金利が高いのか低いのかわからないと思うのでいくつか他の銀行と比べて見たいと思います。
条件が入り乱れると比較にならないので全て新規で借りる場合、変動金利でずっと金利優遇幅が同じプランと仮定します。
三菱UFJ銀行:0.625%
みずほ銀行:0.525%(ネット住宅ローン)
三井住友銀行:0.625%
りそな銀行:0.470%
・信託銀行
三菱UFJ信託銀行:0.500%
三井住友信託銀行:0.475%
・ネット銀行等
ソニー銀行:0.457%
住信SBIネット銀行:0.457%
じぶん銀行:0.457%
住宅ローン金利だけを見たら3メガバンク内では一歩リードしていますが、他の銀行と比較をしてしまうとメリットはないと思います。
またちょっと住宅ローンの保障とかが心配だなという方にはこういったプランもあります。
通常、住宅ローンには団体信用生命保険といって亡くなったら住宅ローン残高を0にしますよという保険がついてきます。
8大疾病をカバーしたいのか3大疾病をカバーしたいのかでどちらを選択するかが変わってきます。
簡単な方から説明をすると3大疾病保障の方は他社でも似たようなものがあります。
癌の場合は診断、心筋梗塞と脳卒中の場合は手術をしたり60日以上症状が続いた場合に住宅ローンが帳消しになる。
保険料は金利が0.3%上乗せになるといった内容です。
8大疾病補償についてはこちらをご覧ください。
8大疾病補償の中にも2つわかれています。
プラスの方は8大疾病だけではなく、その他の病気やケガの場合も補償してくれます。
ノーマルの方は8大疾病だけをカバーしてくれます。
保険料は年齢や借入期間、借入金額によって変わるという仕組みになっていますが、大体月々数百円から数千円というイメージです。
また補償の仕組みが3大疾病保障とは少し異なってきます。
ではどのような補償の仕組みなのか。
3大疾病保障は条件を満たせばすぐに住宅ローンが帳消し。
8大疾病補償はまずは住宅ローンの支払いが免除(最長1年間) 、それでも治っていなかったら住宅ローンが帳消し。(ただしプラスの場合でも8大疾病以外の場合は帳消しまではならない)
単純に補償の幅の広さだけで決めるのではない点に注意が必要です。
3大疾病保障の方は所定の癌の場合は診断時に住宅ローンが帳消しになりますが、8大疾病の場合は所定の癌になってもかなり重くないと帳消しにはなりません。
金利が上乗せされたり、保険料がかかってくるので必ずしもメリットがあるとは限りませんが、検討する価値はあると思います。
みずほ銀行の住宅ローン審査の流れ
一般的な流れですが
事前審査→正式審査→契約手続き→住宅ローン実行
という感じになります。
これはどこの銀行でも似たような感じだと思います。
ではもう少し詳しくお客さま側の来店等に関する負担と合わせてまとめていきたいと思います。
1、事前審査
来店して書類に記入するかネットで行うかどちらかになります。
事前審査をして結果が出るのは大体2日とか3日くらいだと思います。
ちなみにネット住宅ローンを選択する場合は必須となりますが、店頭に行って手続きを行う場合はやる必要がありませんので、特段理由がなければ省いた方が良いと思います。
むしろ店頭に行って銀行員から事前審査をやりましょうと言われた場合は「ちょっとこの人の住宅ローン厳し目かな?」と思われている可能性が高いです。
2、正式審査
住宅ローンの場合は来店が必要です。
ネット住宅ローンの場合は来店不要です。
この時点で物件の資料や本人確認など様々な公的書類が必要になってきます。
正式審査の結果が出るのは早ければ1週間、遅いと1ヶ月とかかかる場合も出てきますが、平均2週間かからないくらいだったと思います。
どうしてかかる時間が大きく変わってくるのか?これは実は担当のスキルだったりも関係してきます。
借りる人に問題がなく、物件も問題がなく、書類が整っていれば正式審査もすっと終わります。
しかしどれか1つでも問題があったり、書類に不備があると当然のことながら時間がかかってしまいます。
書類に不備があった場合、またお客さまに来店してもらって書類を持ってきてもらいます。
電話してすぐに来店できる人って当然少ないですよね。
なので不備が発覚しても1週間対応ができなかったりということもあるのです。
最初の時点で不備がないように案内しろよと思われるかもしれませんが、これは当初必要なかったはずの書類を『物件に問題があるかもしれないから追加でこの資料を出させなさい』と本部に言われることもあるのである程度は大目に見てあげてください。
あとは担当のスキルの問題もあるのですが、住宅ローンの事務ってすごい細かくて大変ですし、しょっちゅう経験したことのないような案件が来たりします。
これも細かくは別の記事でまとめたいと思いますが、住宅ローン専門以外の人が担当となった場合は不備などが出やすく、時間がかかるケースが多くなると思います。
メガバンクの方が地銀とかネット銀行より審査が厳しいと思われがちかもしれませんが、個人的にはそんなことないと思います。
メガバンクだけ通って、地銀とかではダメと言われたケースもネット銀行は通ったのにメガバンクだけダメと言われたというケースもどちらも聞きます。
3、契約手続き
住宅ローンの場合は来店が必要です。
ネット住宅ローンの場合は来店不要です。
正式審査がおりて、あとは売主とのスケジュール調整をして物件の引き渡し日を決めます。
そしてその前に契約を済ませるという流れになります。
正式審査がおりてすぐに契約できるというわけではなく、正式審査がおりたら支店に契約書類が届くまで日数が必要ですので大体3日くらいは見たほうが良いです。
またこの契約手続きの時によくお客さまにも言われていましたが、記入書類がとにかく多い。
全てに氏名、住所の記入が必要なので来店時の時間も結構必要です。
4、住宅ローン実行
場合によっては売主と一緒に来店して、口座にお金が振り込まれるのを待つ場合もあります。
これは必要な場合と不要な場合があるので不動産業者の方に確認をしましょう。
大体初めての来店から住宅ローン実行まで平均1ヶ月くらい見たほうが良いと思います。
ただ様々な事情で非常に急ぐケースもあると思います。
その場合は銀行員にその旨を伝えると急いで対応をしてくれるというケースもありますので、相談をしてみてください。
みずほ銀行の住宅ローンのメリット
みずほ銀行の場合、ネット住宅ローンと住宅ローンで変わってきます。
ネット住宅ローンの場合は3メガバンクの中では金利が最も安いことがメリットです。
住宅ローンの場合は個人的には疑問な点もありますが、対面で相談できることがメリットと言われています。
対面で何を相談するのか?
どのくらいの住宅ローンを組めるか。
金利はどうしたら良いか。
住宅ローンの進め方。
こういったことだと思います。
初めて住宅ローンを組む人にとって、住宅ローンの進め方はわからないことが多く不安だと思いますので、住宅ローンの進め方を対面で相談出来るということは非常にメリットになってくると思います。
しかし他の2つに関しては個人的にはむしろデメリットだと思っていますので、デメリットのところで説明したいと思います。
みずほ銀行の住宅ローンのデメリット
金利が高い。
対面で相談出来るが担当のレベルにばらつきがありすぎる。
これが個人的に思う2大デメリットです。
金利の高さに関してはメリットのところで3メガバンクの中では安いと書きましたが、他と比較すれば0.07%近く劣っているのでやはり高いことに変わりないと思います。
ネットで手続きをすることに抵抗がない方は素直にネット銀行で手続きをすればいいだけだと思います。
次に対面相談出来る担当のレベルのバラツキですが、これが致命的だと思います。
例えばどのくらい借りられるか相談出来るのは良いとメリットにあげる方もいます。
銀行は貸せる金額を教えてくれるだけで、その人が無理なく返せる金額は教えてくれない
これは結構よく言われていることですが、銀行としては最大限多く貸したい。
住宅ローンを返せなくなると住む家を取られてしまうのでみんな必死に返す。
だから返済計画に多少無理があっても他を犠牲にしてなんとかしてくれる。
勿論価値観の問題なので別に良いのですが、住宅ローンを借りすぎて子供が大学行く時とかに教育ローンの相談をしにくるお客さまとかを見るとなんだかなーと思っていた記憶があります。
ただ例えばですが、店頭に相談に行ったとして返済計画や金利についての考え方を教えてくれて『手続きはネット住宅ローンで行ったらどうですか?』と勧めてくれる人がいたらその人はいい担当じゃないかな?と思います。
みずほ銀行の住宅ローンの金利引き下げに関する話
当然のことながらみずほ銀行も株式会社です。
みずほ銀行にも収益目標があって、担当にも目標が割り当てられます。
で、少し話は変わりますが例えばみずほ銀行で0.875%くらいで借りていたとします。
でも今みずほ銀行で借りる人は0.625%とかで借りられます。
自分もその金利にしたいなーと思いませんか?
これ対応してくれます。
みずほ銀行の住宅ローン担当の人に「他の銀行に借替しますね。」と言うと対応してくれる場合があります。
銀行としては他行に流れてしまうよりも金利を下げてでも自分のところに残ってもらった方が利益になるので当たり前ですね。
でもその場合は一応審査があります。
例えば住宅ローンを借りた時は働いていたけど、今は仕事していませんって場合は金利を下げてくれません。
ほかにもどういった審査があるかというと、本当に他の銀行で借替を計画していて借替をした場合にその人にとって利益があるのかないのかを聞かれます。
その結果、他行に借替をしてもメリットがない場合は対応してくれません。
当たり前に思われるかもしれませんが、ここ三菱UFJ銀行と大きく変わるところになります。
ご興味がある方はこちらをご覧ください。
なぜみずほ銀行は対応してくれないかと言うと、この金利引き下げの手続きを行ってもそれを行った銀行員に何のメリットもないからです。
借替えをしてもメリットなければ引き下げには応じない、普通のことですが三菱UFJ銀行と比較をするとデメリットに感じてしまうのは内部にいたことがある人間にしかわからない裏話ですので、ご参考までに。
まとめ
3メガバンクと比較をすると金利は低いが、ネット銀行等と比較をすると金利が高いので特段理由がなければお勧めは出来ない。
担当者と面談できる強みではあるが、担当者のレベルに左右されやすいし、その場合ネット住宅ローンは使えない。
疾病保障が充実していて2つのプランから選択できるのは強み。
【三菱UFJ銀行】住宅ローン 2018年7月13日更新
三菱さんは住宅ローン借りにくいんでしょう?
大きいところの住宅ローンの方が安心できる。
この2つは銀行員時代によくお客さまに言われていた言葉です。
三菱さんに相談に行ったら固定金利を勧められたけどどうなんですか?
これは今の仕事をするようになってからお客さまによく言われる言葉です。
今回は三菱UFJ銀行の住宅ローンについて、裏話も含めてまとめていきたいと思います。
- 三菱UFJ銀行の住宅ローン金利、仕組み
- 三菱UFJ銀行の住宅ローン審査の流れ
- 三菱UFJ銀行の住宅ローンのメリット
- 三菱UFJ銀行の住宅ローンのデメリット
- 三菱UFJ銀行の住宅ローンの金利引き下げに関する話
- 三菱UFJ銀行の住宅ローンの裏話
- まとめ
三菱UFJ銀行の住宅ローン金利、仕組み
まずはここが気になるところだと思います。
ではこちらをご覧ください。
三菱UFJ銀行の住宅ローンのトップページに行くとまずはこういった画面がドーンと出てきます。
少し進んでいくと次のような画面が出てきます。
ここでまず大前提となってくる情報をお話しすると三菱UFJ銀行の住宅ローンには大きく分けると2種類の選択肢があります。
1つ目はずっと金利優遇の幅が大きいタイプ。
2つ目は最初の固定金利の期間だけ金利優遇の幅が大きくて、その後は優遇幅が少し小さくなるタイプ。
優遇幅って何?って方はこちらを先にご覧いただけると幸いです。
住宅ローンの金利が決まってくる裏話も掲載しています。
1つ目のずっと金利優遇の幅が大きいタイプは常に店頭金利から-1.85%してくれるというわけです。
2つ目の最初の期間だけ優遇幅が大きいタイプは最初の期間は-2.5%してくれて、最初の固定期間が終わるとその時点の店頭金利から-1.6%してくれるという感じになっております。
では住宅ローンの店頭金利一覧を見てみましょう。
保証料一括前払い型って何?ってあると思いますが、保証料については別でまとめたいと思います。
これだけ見ても三菱UFJ銀行の金利が高いのか低いのかわからないと思うのでいくつか他の銀行と比べて見たいと思います。
条件が入り乱れると比較にならないので全て新規で借りる場合、変動金利でずっと金利優遇幅が同じプランと仮定します。
三菱UFJ銀行:0.625%
みずほ銀行:0.525%(ネット住宅ローン)
三井住友銀行:0.625%
りそな銀行:0.470%
・信託銀行
三菱UFJ信託銀行:0.500%
三井住友信託銀行:0.475%
・ネット銀行等
ソニー銀行:0.457%
住信SBIネット銀行:0.457%
じぶん銀行:0.457%
住宅ローン金利だけを見たら三菱UFJ銀行にメリットはないと思います。
ちなみにネット申し込みかつ借替時限定ですがこのようなプランもありました。
借替であれば他の銀行も金利を安くしたりしていますが、実はこの固定3年の0.4%というのはネット銀行と比較をしても非常に安いです。
ただこれは気のせいですので、詳しくは後ほどデメリットのところで説明したいと思います。
またちょっと住宅ローンの保障とかが心配だなという方にはこういったプランもあります。
通常、住宅ローンには団体信用生命保険といって亡くなったら住宅ローン残高を0にしますよという保険がついてくるのですが、これは7大疾病の保障を上乗せさせるといったものです。
具体的にはこちらをご覧ください。
癌などは心配な方も多いと思いますが、癌となっただけで住宅ローンが帳消しになるのは嬉しいですね。
金利が上乗せされるので必ずしもメリットがあるとは限りませんが、検討する価値はあると思います。
三菱UFJ銀行の住宅ローン審査の流れ
一般的な流れですが
事前審査→正式審査→契約手続き→住宅ローン実行
という感じになります。
これはどこの銀行でも似たような感じだと思います。
ではもう少し詳しくお客さま側の来店等に関する負担と合わせてまとめていきたいと思います。
1、事前審査
来店して書類に記入するかネットで行うかどちらかになります。
事前審査をして結果が出るのは大体2日とか3日くらいだったと思います。
しかしこれはやらなくても大丈夫です。
僕は実務では殆ど事前審査やっていませんでした。
事前審査をやる場合は「ちょっとこの人の住宅ローン厳し目かな?」という時のみでした。
やるメリットが殆どないので特段理由がなければ省いても構わないと思います。
2、正式審査
来店が必要です。
この時点で物件の資料や本人確認など様々な公的書類が必要になってきます。
正式審査の結果が出るのは早ければ1週間、遅いと1ヶ月とかかかる場合も出てきますが、平均2週間かからないくらいだったと思います。
どうしてかかる時間が大きく変わってくるのか?これは実は担当のスキルだったりも関係してきます。
借りる人に問題がなく、物件も問題がなく、書類が整っていれば正式審査もすっと終わります。
しかしどれか1つでも問題があったり、書類に不備があると当然のことながら時間がかかってしまいます。
書類に不備があった場合、またお客さまに来店してもらって書類を持ってきてもらいます。
電話してすぐに来店できる人って当然少ないですよね。
なので不備が発覚しても1週間対応ができなかったりということもあるのです。
最初の時点で不備がないように案内しろよと思われるかもしれませんが、これは当初必要なかったはずの書類を『物件に問題があるかもしれないから追加でこの資料を出させなさい』と本部に言われることもあるのである程度は大目に見てあげてください。
あとは担当のスキルの問題もあるのですが、住宅ローンの事務ってすごい細かくて大変ですし、しょっちゅう経験したことのないような案件が来たりします。
これも細かくは別の記事でまとめたいと思いますが、住宅ローン専門以外の人が担当となった場合は不備などが出やすく、時間がかかるケースが多くなると思います。
また三菱UFJ銀行はお高くとまっていて審査が厳しいと言われることが多いですが、個人的にはそんなことないと思います。
確かに他の銀行の審査は通ったのに三菱だけダメだったという話は聞きますが、これに関しては三菱だけ通ったけど他の銀行はダメだったという話も聞きますので一概には言えないことだと思います。
3、契約手続き
来店が必要です。
正式審査がおりて、あとは売主とのスケジュール調整をして物件の引き渡し日を決めます。
そしてその前に契約を済ませるという流れになります。
正式審査がおりてすぐに契約できるというわけではなく、正式審査がおりたら支店に契約書類が届くまで日数が必要ですので大体3日くらいは見たほうが良いです。
またこの契約手続きの時によくお客さまにも言われていましたが、記入書類がとにかく多い。
全てに氏名、住所の記入が必要なので来店時の時間も結構必要です。
4、住宅ローン実行
場合によっては売主と一緒に来店して、口座にお金が振り込まれるのを待つ場合もあります。
これは必要な場合と不要な場合があるので不動産業者の方に確認をしましょう。
大体初めての来店から住宅ローン実行まで平均1ヶ月くらい見たほうが良いと思います。
僕が実際に行った案件で最速2週間というのはありましたが、これは買主が本当に急いでいたということもありますしレアケースなので、ある程度余裕を見て手続きを進めることをお勧めします。
三菱UFJ銀行の住宅ローンのメリット
個人的には疑問な点もありますが、よく対面で相談できることがメリットと言われています。
対面で何を相談するのか?
どのくらいの住宅ローンを組めるか。
金利はどうしたら良いか。
住宅ローンの進め方。
こういったことだと思います。
初めて住宅ローンを組む人にとって、住宅ローンの進め方はわからないことが多く不安だと思いますので、住宅ローンの進め方を対面で相談出来るということは非常にメリットになってくると思います。
しかし他の2つに関しては個人的にはむしろデメリットだと思っていますので、デメリットのところで説明したいと思います。
三菱UFJ銀行の住宅ローンのデメリット
金利が高い。
対面で相談出来るが担当のレベルにばらつきがありすぎる。
これが個人的に思う2大デメリットです。
金利の高さに関しては既に上で書きましたが、借替の場合の3年固定の0.4%は安いとも書きました。
しかしこれは見せかけのトリックといっても過言ではありません。
まずはこちらをご覧ください。
例えば少し前にネット銀行で借りている人がいたとします。
少し前のネット銀行の一般的な金利、0.507%でこの先ずっと金利が変わらなかったと仮定します。
そうすると次のようなシミュレーション結果となります。
ではこの人がネットで『お!三菱UFJ銀行にネットで借替すると今よりも金利が安くなる!借り替えよう!』と借りかえたとします。
するとどうなるか。
元々の返済額が毎月89,848円でしたので、当初金利のところを見ると毎月88,447円となりますので確かに安くなっています。
しかしその後の1回目見直というところを見ると91,118円となります。
なぜこのようなことが起きるのか?
もう一度さっきのプランを見てみましょう。
4年目以降完済まで店頭表示金利より最大-1.85%と書いてあります。
ここが曲者で、最初の非常に低い0.4%という期間が終わると変動金利だとしても0.625%に逆戻りしてしまうというカラクリです。
そうするとトータルで結局約35万円程返済額が増えてしまうという結果になります。
住宅ローンは基本的には期間の長い商品ですので、 目先の高い安いよりもトータルでどうなのかという視点が重要になって来ます。
次に対面相談出来る担当のレベルのバラツキですが、これが致命的だと思います。
例えばどのくらい借りられるか相談出来るのは良いとメリットにあげる方もいます。
銀行は貸せる金額を教えてくれるだけで、その人が無理なく返せる金額は教えてくれない
これは結構よく言われていることですが、銀行としては最大限多く貸したい。
住宅ローンを返せなくなると住む家を取られてしまうのでみんな必死に返す。
だから返済計画に多少無理があっても他を犠牲にしてなんとかしてくれる。
勿論価値観の問題なので別に良いのですが、住宅ローンを借りすぎて子供が大学行く時とかに教育ローンの相談をしにくるお客さまとかを見るとなんだかなーと思っていた記憶があります。
また金利の相談に乗ってくれるという話ですが、銀行員、特に三菱UFJ銀行の場合、固定金利を勧める人が多い印象があります。
実際、三菱UFJ銀行の住宅ローンのページに行くと固定金利をまず全面に押し出しています。
これって理由があるのご存知ですか?
これは裏話のところで詳しくお話しします。
三菱UFJ銀行の住宅ローンの金利引き下げに関する話
例えば三菱UFJ銀行で0.875%くらいで借りていたとします。
でも今三菱UFJ銀行で借りる人は0.625%とかで借りられます。
自分もその金利にしたいなーと思いませんか?
これ対応してくれます。
三菱UFJ銀行の住宅ローン担当の人に「他の銀行に借替しますね。」と言うと対応してくれる場合があります。
銀行としては他行に流れてしまうよりも金利を下げてでも自分のところに残ってもらった方が利益になるので当たり前ですね。
でもその場合は一応審査があります。
例えば住宅ローンを借りた時は働いていたけど、今は仕事していませんって場合は金利を下げてくれません、というよりも下げられません。
ほかにもどういった審査があるかというと、他の銀行で借替を計画していて借替をした場合にその人にとって利益があるのかないのかを聞かれます。
その結果、他行に借替えをしてもメリットがなかったとしても実は対応をしてくれます。
ここ他の銀行と大きく変わるところだと思います。
なぜそのようなことが起きるのか?
詳しくは裏話のところで書きたいと思いますが、三菱UFJ銀行で結構前に住宅ローンを借りていて金利が高いな〜と考えている方は積極的に金利引き下げの相談をしてみてください。
三菱UFJ銀行の住宅ローンの裏話
当然のことながら三菱UFJ銀行も株式会社です。
担当者には目標が割り当てられます。
記憶がうろ覚えですが、僕がいた支店それなりに大きい支店でしたが1人あたり大体4000万円くらいの収益をあげることが目標だったと思います。
では住宅ローンの場合どういった計算として計算されるのか?
例えば3000万円の住宅ローンを実行したら120万円の収益として計算されていました。
実行金額の4%です。
今は住宅ローン金利も安いですし、住宅ローンの収益は一気に入ってくるというよりも常に入ってくるというイメージですので、実際の会社としての収益計算は違うと思いますが、担当者の査定をするにはそこまで複雑に計算をすると大変なので簡素化されているというわけです。
で、これの何が裏話かというと、住宅ローンの金利プランによってこの収益計算が変わってくるというわけなのです。
変動金利:4%
3年固定、5年固定:4.4%
10年固定:4.8%
20年以上の固定:5.2%
今は変わっているかもしれませんが、少なくとも僕が銀行を退職した2013年時点ではこういった計算方法でした。
つまり銀行としては変動金利よりも固定金利を借りてくれた方が収益になるというわけです。
当然同じ3000万円の住宅ローンを実行したとしても変動金利だと120万円の収益計算に対して、10年固定で借りてもらうと144万円の計算になるので効率的になります。
これが三菱UFJ銀行の担当者がやたらと10年固定とかを勧めてくる理由の1つでもあるのかなと個人的には思っています。
また金利引き下げの話で記載した件ですが、普通は既に住宅ローンを借りている人の金利を引き下げしても収益計算に計上しないという銀行が多いと思うのですが、三菱UFJ銀行の場合は数字になってしまいます。
1件について700万円の住宅ローンを実行したのと同じ扱いです。
収益28万円計算。
うちで住宅ローンを借りてくれませんか?だと他行との比較もあるんでうまくいかないケースもありますが、うちで借りている住宅ローンの金利を下げませんか?で断る人いませんからね。
ちなみに事務手数料とかで少し費用がかかりますが、1万円もいかないくらいだったと思います。
これ、一応本部としてはお客さんに能動的に呼びかけてやってはダメですよというルールになっていますが、支店によってはリスト化して『他行で借替えを考えていることにしてもらえば、金利下げられますよ』って電話しまくっているという話です。
まとめ
金利が高いので特段理由がなければお勧めは出来ない。
担当者と面談できる強みではあるが、担当者のレベルに左右されやすい。
審査が厳しいということは特になく、場合によっては申し込みから実行まで短期で完結する。
現在三菱UFJ銀行で借りていて金利が高いと感じている場合は、積極的に金利引き下げの相談をしてみましょう。
【住宅ローン】変動金利と固定金利、どちらが良いですか? 2018年8月1日更新
変動金利の方が金利が低いけど、将来金利が上がってきたら心配ですね。
今は金利が低いから、金利の低い間に固定金利で金利上昇リスクに備えましょう。
上は僕が商談をしている時にお客さまからよく言われる発言。
下は少し前からインターネットとかで見かけるFPの方々がよく発信している内容。
元々銀行員ということもあって住宅ローンの相談もよく受けます。
変動金利がいいのか固定金利がいいのかは、住宅ローンをこれから借りようかなって人は必ず通る道だと思います。
そんな時僕はほぼ変動金利を勧めます。
実際、僕はマイホームを2013年に購入しましたが、変動金利で借りています。
なぜ変動金利が良いの?
こういった疑問はあると思いますので、それをこれから説明していきたいと思います。
住宅ローンの仕組み
まず初めにこちらを見ていただきたいと思います。
こちらは金融機関の住宅ローンがどのような金利で今まで推移してきたのかを表しています。
例えば右下の方に平成29年10月の金利が載っています。
上から
10年固定金利:3.25%
3年固定金利:3%
変動金利 :2.475%
となっています。
『いやいや、こんな高い金利で借りている人は見たことがないし、今は過去最低水準の住宅ローン金利って聞いていますよ?』と思われているかと思います。
上記の金利は民間金融機関の金利の推移は推移ですが、金利は金利でも店頭金利と呼ばれるものです。店頭金利=住宅ローンの定価と考えるとわかりやすいと思います。
今は住宅ローンの競争が激しいので定価で借りて行く人はいない。
だから各銀行、定価から値下げをして住宅ローンを提供しているという考え方です。
住宅ローンの契約をしたことがある人は記憶にあるかもしれませんが、【金利優遇の覚書】みたいな名前の用紙に数字などを記入したと思います。
住宅ローンの契約って記入する用紙もたくさんあるのでどんな用紙か事細かに確認をして、なおかつそれを覚えておくって方は少ないと思うのですが、どういう用紙かというと
あなたの住宅ローンは店頭金利から〇〇パーセント引き下げをしますよ
という内容です。
この〇〇の中に数字を書いて各々の住宅ローンの金利が決まってくるという仕組みです。
例えば変動金利で考えると、今の住宅ローンの定価は2.475%、覚書の〇〇のところに1.8%と書いていたら2.475-1.8=0.675%で借りられるというわけです。
ただし、上のグラフでもあるように定価は時代によって変わってきます。
なので例えば5年後に定価が2.875%になっていたとします。
その場合でも定価から1.8は引くという契約になっているので、2.875-1.8=1.075%で借り続けることが出来るというわけです。
ここで重要なのは住宅ローンを借りるときは何パーセントで貸します、借りますという契約ではなく、定価から何パーセント引き下げをする契約で貸します、借りますという契約だということです。
固定金利よりも変動金利が良い理由は?
まずはこちらを御覧ください。
これは某ネット銀行の金利一覧です。
定価である店頭金利ではなく、実際に貸し出す時の金利を表示しています。
金利が安いから。
住宅ローンは世の中にある様々な借金の中で最も安く借りることが出来る手段です。
この手段を使うのであれば最大限安く借りた方が色々とメリットがあると思いますので、僕は銀行員の時から一貫して基本的には変動金利をお勧めしています。
ただし稀に固定金利の方が有利な方もいるのですが、それはまた別途記事にしたいと思います。
あとお客さまからよく言われるのが『銀行員の方には固定金利が良いと言われたんですが。』という言葉。
これはその銀行員が本当に固定金利が良いと思っている場合もあると思いますが、実は別の理由があるケースもあります。
それはまた別途記事にしたいと思います。
変動金利と固定金利でどのくらい差があるの?
変動金利の方が安いってどのくらい安くなるのかしら?
気になるところですよね。数字で何パーセント金利が安いからといってもイメージが湧かないと思うので、具体的に見てみましょう。
では上で金利一覧をお見せした某ネット銀行で、変動金利で借りた場合と固定金利で借りた場合のシミュレーションを見てみましょう。
まずは変動金利。
借りる金額は3000万円としています。
月々77,306円の返済となります。
ずーっと金利が変わらなかったとしたら3000万円を借りたのに対して約3246万を支払うことになる。
では続いて固定金利の場合。ここでは10年固定でシミュレーションをしています。
変動金利0.457%に対して、固定金利1.21%ですので、0.753%金利が違います。
月々87,653円の返済となります。
これもずーっと金利が変わらなかったとすると3000万円借りたのに対して約3681万円を返済することになるというわけです。
まとめてみると
項目 | 変動金利 | 固定金利 | 差 |
---|---|---|---|
想定金利 | 0.457% | 1.21% | 変動金利の方が0.753%低い |
月々の返済額 | 77,306円 | 87,653円 | 変動金利の方が10,347円安い |
総返済額 | 32,468,684円 | 36,814,250円 | 変動金利の方が4,345,566円安い |
といったようになります。
月々の給料を1万円多くする、月々の生活費を1万円節約する。
どちらも大変だと思いますが、住宅ローンの借り方1つでここまで変わるのであれば変動金利の方がメリットがあるなと個人的には思います。
変動金利にしていて、これから先金利は上がらないの?
でも最近金利が上がるって聞いたし、変動金利でこれから先大丈夫なのかしら?
心配ですよね。金融ロジックで説明すると難しくなるので、簡単に考えてみましょう。
特に今は異次元金融緩和と呼ばれマイナス金利真っ只中。
誰が考えても今の金利が低い。
これは事実だと思います。
これから先、金利は上がるだろう。
この予想も真っ当だと思います。
でも住宅ローンの変動金利に関しては心配する必要がないと思っています。
マイナス金利の状況から金利が上がることによって、この先いま借りている変動金利の金利が上がるのであれば、マイナス金利になる前から変動金利で借りていた人はいま借入金利が下がっているのでしょうか?
ということです。
どういうことか?
変動金利にしていていた場合、これから先金利が上がるのでは?という人の理屈はこうです。
今はマイナス金利で金利が安い→これから先マイナス金利は解除される→金利が上がるから変動金利も上がるだろう
一見理にかなっています。
では
以前はマイナス金利ではなかったから今よりも金利が高かった→今はマイナス金利で金利が下がった→あれ?以前から変動金利を借りている人の金利はそのままだけど?
これに対してはどう答えるのでしょうか?
住宅ローンの仕組みのところでも説明をしましたが、住宅ローンの店頭金利自体はマイナス金利になっても以前と特に変わっていません。
というよりもここ20年以上ほぼ変わっていません。
ですが例えば10年前くらいに住宅ローンを変動金利で借りたAさんは多分1.275%程度だと思います。
でも例えば去年住宅ローンを変動金利で借りたBさんは多分0.625%とかで借りていると思います。
じゃあ今Aさんの住宅ローン金利は0.625%まで下がっているのかと言ったらそんなことはありません。
なぜか?
住宅ローンの契約は「店頭金利から何パーセント引いて貸しますよ」という契約だからです。
この何パーセント引きますよの部分が10年前に借りたAさんは1.2%、去年借りたBさんは1.85%という契約なので、この2人の金利差が埋まることは永遠に来ないというわけです。
なのでもしかしたら10年後に住宅ローンを借りるCさんは変動金利で借りても1.275%でしか借りられないかもしれません。
が、だからといって去年借りたBさんの金利もそこまで上がるかというとそもそもの契約内容が違うのでそうならない可能性が高いということです。
これは勿論店頭金利が上がれば話が変わってきますが、少なくともマイナス金利になる前となった後で店頭金利が同じということは事実なので、今がマイナス金利でこれはその内解除されるから変動金利も上がりますよという理屈はおかしいことがわかると思います。
まとめ
【プルデンシャル生命】米国ドル建てリタイアメントインカム(ドルRI) 2018年7月15日更新
『これで老後は安心ですね。』
と、プルデンシャル生命の営業マンに話を聞いたら8割方勧められる保険
それがこの米国ドル建てリタイアメントインカム(通称ドルRI)です。
僕が初めて保険に自分のお金で加入したのは社会人2年目の時でした。
その時は自分で扱っていたということもあってプルデンシャル生命の人に話を聞いて加入したのですが、やはりこれを勧められました。
具体的にどういう商品で、どういうメリットデメリットがあるのかまとめていきたいと思います。
目次
1.「ドルRI」の基本的な仕組み
まず大前提となってくるのはこちらの商品は米ドルでお金を積み立てて将来米ドルで受け取るという商品で、保険の種類としては養老保険というものに分類分けされます。
何が特殊かというと、普通の養老保険は上記の形が長方形になるのですが、この特殊養老保険というものは形がいびつになっています。
こういう形にすることで死亡保険の部分を抑えて将来戻ってくるお金を増やすという仕組みになっています。
プルデンシャル生命はHPでも保険料の試算などはできないようにしているので、具体的にどのくらいの金額を積み立てて将来どのくらい戻ってくるかということは紹介出来ませんが僕が勧められた時の設計書を公開しようと思います。
これはまだ利率が良い時代に加入したものなので今はこのスペックよりも悪いものしかないと思うので、参考までにご覧いただけたらと思います。
こちらの設計書で仕組みを説明すると、
24歳から60歳まで支払う。(36年間)
毎年3,762ドルを支払う。(1ドル=100円とすると約37万円)
合計で135,432ドルを支払う。
60歳の時に一括で受けとると219,131ドルを受け取れる。(1ドル=100円とすると約2191万円)
返戻率は161.8%
一括受け取りではなくその他の受け取り方も選択可能。
10年確定年金受け取り(その場合合計250,297.20ドルが受け取れる、返戻率184.8%)
✳︎確定年金とはその期間は必ず受け取れる、つまり途中で自分が亡くなっても残りの金額を遺族が受け取ることが可能。
10年保証期間付終身年金受け取り(その場合毎月1,000ドル、年間12,000ドルが一生涯受け取れる)
✳︎保証期間付終身年金とは生きている限りずっと受け取ることが可能、もしも保証期間の間に自分が亡くなったらその期間に受け取れたはずだった金額を遺族が受け取ることが出来る
もしも保険料を支払っている期間で亡くなった場合は最低でも100,000ドル(1ドル=100円とすると1000万円)
積み立てた金額がこれを超えている場合はその金額が受け取れる。
このドルRIの主な目的としては生命保険目的ではなく、将来への積み立てとなっています。
2.「ドルRI」のメリット
基本的にはこちらの記事にあるメリットの通りとなりますので、こちらをご覧いただけたらと思います。
ここではプルデンシャル生命のドルRIならではのメリットを2つ紹介しようと思います。
1、設計書が非常に見やすい
上記の仕組みで記載した年金受け取りなどは他社類似商品でも可能です。
プルデンシャルのドルRIは他社類似商品と比較をした場合、特別返戻率が高いわけでも低いわけでもありません。
ですが、僕の知る限りではプルデンシャル生命以外で設計書で年金受け取りした場合の返戻率を載せている会社は知りません。
これは検討するお客さま側としてもわかりやすくて考えやすいと思います。
2、大きな金額を貯められる
実はドルRIよりも返戻率が高い保険商品はあります。
それが米ドル建て終身保険になります。(詳細はまた別途紹介しますが、上記ドルRIと同時期に契約した米ドル建て終身保険の60歳時点の返戻率は182%となります。)
しかしドル建て終身保険では大きな金額を貯めることが現実問題としては難しいです。
ドルRIの場合、基本的には満期まで積み立てを続けるという商品ですので積み立て期間が長くなり、将来貯まっている資金も大きくなるというメリットがあります。
3.「ドルRI」のデメリット
デメリットに関しても基本的にはこちらの記事をご覧いただけたらと思います。
他にはプルデンシャルのドルRIというよりも、終身保険と養老保険を比較した場合の話となりますが、
・終身保険の場合
満期がない。
つまり資金化のタイミングが選べる。(為替が円安になって有利だから今引き出そう、60歳になったけどまだ仕事してるからもう少し置いておこう等)
・養老保険の場合
満期がある。
つまり資金化のタイミングが選べない。(満期が来たら為替が円高だろうが円安だろうが関係ない、60歳満期で契約したけどまだ仕事してるからいらないんだけどなー等)
年金受け取りという方法があるのである程度は融通がききますが、終身保険と比較をすると資金化のタイミングの融通性は低いと思います。
またこれはこの商品限った話ではありませんが、米国の金利上昇には弱いというデメリットもあります。
一度はゼロ金利まで下がった米国の金利も今は利上げを行なって金利が上がってきています。
米ドル建て保険は米国の金利に左右される商品ですので、米国の金利が上がってくれば、ドル建て保険の金利も上がることが予想されます。
メットライフ生命のドルスマートという商品は契約した後も予定利率という金利の見直しを行いますよという仕組みなのですが、プルデンシャル生命のこちらの商品は契約した後は良くも悪くも金利は変わりません。
ですので去年入らずに今年入った方が利率が良かったなーということが来年以降起きる可能性もゼロではないということです。
とは言え保険という機能もあるので待っている間に病気になったら困るしなという話なのでこれはどうにもならないデメリットと言えます。
ただこれも場合によってですがメンテナンス機能のところでこのデメリットをある程度解消させるということも可能です。
それについてはまた別途記事にしたいと思います。
4.まとめ
メリット
円建ての商品と比較をすると返戻率が高い。
為替の状況によっては為替によるリターンも得られる。
設計書が非常に見やすい。
大きな金額を貯めることが出来る。
デメリット
為替リスク。(満期がある関係で為替リスクの影響は受けやすい。)
為替手数料は高くもなく、安くもなく。
保険機能は弱いので、単純な返戻率だけで考えると米国債や米ドル建て終身保険の方がメリットがある。
米国の金利上昇に弱い
5.合わせて読まれています
準備中。
【米ドル建て生命保険】デメリット
保険の相談をしたら米ドル建て生命保険を勧められたけど、ぶっちゃけどうなの?
米ドル建て生命保険のメリットに関してはこちらに記載しております。
まずはこちらからお読みいただけたらと思います。
1.米ドル建て生命保険のデメリット
インターネットで米ドル建て生命保険のデメリットを検索したところ、この4つを挙げているサイトが多かったです。
では続いてこれらの解説をしていきたいと思います。
1.為替リスクがあるので想定したよりもメリットが出なくなる可能性がある
『保険料を支払っている時に円安で、保険からお金を受け取る時に円高ですと損をする可能性もありますよ。』
【例】
トータルで支払う保険料:約5万ドル
65歳時に解約した場合に戻ってくる解約返戻金:約10万3千ドル
仮に保険加入時は1ドル=100円だったけども、翌年から1ドル=120円になったとします。
そうするとトータルで支払う保険料は約590万円となります。
これが65歳時に1ドル=80円になっていたとすると戻ってくるお金は約824万円となります。(見た目の解約返戻率で107%増えていた予定が、為替の力で40%しか増えなくなってしまいました。)
これは勿論その通りですね。
しかしながら、上の計算式は過去のドル円の為替相場からある程度現実的なラインで最も悲惨な想定をして計算をしてみましたが、それでも円建ての終身保険に加入するよりメリットがあることがわかります。
とは言え、過去の為替相場をはるかに超える状況は当然起こり得ることですので、これはデメリットとしてしっかり考える必要があると思います。
2.為替手数料がかかる
『ドル建て保険に加入すると為替の手数料が発生します。』
基本的に米ドル建ての生命保険に加入すると、銀行の普通預金から引き落としになって米ドルに変換されて保険料支払うことになると思います。
この変換される時点で為替の手数料と言うものがかかってきます。
これはまた他の金融商品と比較をした場合もご紹介したいと思いますが、実は各社為替の手数料が違います。
2018年5月時点 為替手数料は今後変更になる可能性もあります。
保険会社 | 保険会社に支払う時 | 保険会社から受け取る時 |
---|---|---|
ジブラルタ生命 | 50銭 | 1銭 |
ソニー生命 | 1銭 | 1銭 |
プルデンシャル生命 | 25銭 | 25銭 |
PGF生命 | 50銭 | 1銭 |
マスミューチュアル生命 | 50銭 | 50銭 |
マニュライフ生命 | 50銭 | 1銭(米ドル) 3銭(豪ドル) |
三井生命 | 25銭 | 25銭 |
メットライフ生命 | 50銭(初回のみ) 1円(2回目以降) |
50銭 |
結構違いますね。
そんなに大きな手数料という訳ではないですが、塵も積もれば山となる。
細かな手数料もしっかりと考えなくてはいけないことだと思います。
ただメガバンクで米ドルの外貨預金を作ろうとすると1ドル=1円という手数料がかかるということを考えると保険商品が特別手数料高いというわけでもないことがわかります。
3.商品がわかりにくい
『普通の生命保険と比較をすると為替のことも考えなくてはいけないので、商品がわかりにくいです。』
これはその通りですね。
金融機関の営業マンにありがちなのが、知らず知らずのうちに自分たちの金融知識をベースにしてしまい、説明を簡単にしてしまったりして、お客さまが置いてけぼりになるということです。
最初にも書きましたが、米ドル建ての生命保険を扱っている保険会社は非常に少ないです。
仕事柄、為替が関係するお仕事をされている方もいらっしゃると思いますが、当然皆さんがそういうわけではないと思います。
4.米ドル建て終身保険より米国債の方が増える
『米ドルで運用をしたいなら、証券会社で米国の国債を買った方が利回りが良くなります。』
そもそも米ドル建ての生命保険と言うものは保険会社がお客さまに代わって米国の国債を買っています。
そこに生命保険と言う機能を付けているわけですから、米ドル建ての生命保険よりも直接米国の国債を買った方がお金が増えるという話です。
お金を増やすということだけにスポットライトを当てるとこれ自体はその通りです。
しかしながら保険商品でお金を積み立てたいという人は『お金を貯めたいけど、自分では貯められない。保険だったら自動的に引かれるから強制力がありますよね。』という方が多いんですよね。
これが保険よりも増えるからという理由で米国債を買うっていう話になると自分で証券会社で毎年買わないといけない、しかも自分で買うためのお金を貯めてという話になります。
これは結構面倒に感じる人が多いと思います。
お金を貯めるぞ!と思っているモチベーションが高い時期は出来るかもしれませんがそれをずっと続けていくと言うのは中々ハードルが高いのではないかと思ってしまいます。
いかがでしたでしょうか?
この記事が米ドル建て生命保険を勧められてどうなのかな?と悩んでいる方のお役に立てば幸いです。
2.合わせて読まれています
【医療保険】基本的な仕組み、メリット、デメリット
医療保険は不要!!
こういうブログご覧になったことはありませんか?
僕も色々とブログを見ていると結構こういう主張をしている方が多いように感じます。
でもテレビとか見ているとCMで医療保険ってバンバン流れていますよね?
普段商談をしていてもお客さまから『〇〇で話を聞いた時に医療保険なんていらないですよって言われたんですが、そうなんですか?』と聞かれることもよくあります。
これって保険会社やFPの中でもかなり意見が分かれるところです。
僕の個人的な意見はまた別途書きたいと思いますがここではそもそも医療保険ってどういう仕組みになっているの?というところがわからないと検討することが難しいと思いますので、基本的な仕組みやメリット、デメリットについてまとめていきたいと思います。
そもそも医療保険とは?どうやったらお金が受け取れるの?
そもそも保険料を保険会社に支払って、その対価として自分が病気等で困った時にお金を受け取れるという仕組みです。
なのでどういう時に保険会社に保障をしてもらえるのかをはっきりと整理しておかないと必要なのか不要なのか決められないと思います。
- 病気や怪我で入院した場合
- 手術をした場合
各社様々な医療保険を出していますし、実は医療保険と言うものは毎年のように商品開発や改定が行われています。
なのでまとめることが難しいのですが、この2つは基本的にどこの保険会社で加入をしても必ずついている保障かと思います。
ここに各社差別化を図るために特約という形でその他の保障を付けたり、基本設計としてその他の保障がついていたりという形になっています。
ほんの一例になりますが、他にどういった保障があるのか紹介していきたいと思います。
病気や怪我で入院した後に退院した場合
病気や怪我で入院して退院した後に、通院した場合
三大疾病(癌、心筋梗塞、脳卒中)で入院をした場合に追加で保障される
女性疾病で入院をした場合に追加で保障される
放射線治療を受けた場合
抗がん剤投与のために通院した場合
先進医療を受けた場合
→先進医療についてはまた別途まとめたいと思っていますがここでは簡単に。
健康保険の対象とならないもので、全額自己負担となる治療と考えていただけたらと思います。
代表的なところとしてはこのようなものが挙げられると思います。
ここで注意が必要なのが言葉だけで表面的にどういった場合に保障されるのか判断するのではなく具体的にどのような場合に保障されるのか確認をすることです。
どういうことか?
例えば病気や怪我で入院をした場合に1日あたり1万円受け取れるという保障でご説明します。
A社→1泊2日以上の入院から給付するが、日帰り入院は不可
B社→2日しか入院をしていなくても、一律5日分(5万円)の保障が受けられる
C社→日帰り入院も保障される。その後は1日につき1万円の保障が受けられる。
このような感じです。
金融機関と言うものは文字と言うものに非常に制約が多く、パンフレットなども文字数がどうしても多くなり、一般の方からすると非常にわかりにくい内容となっているかと思います。
そこを営業マンが噛み砕いてご説明をするというのがよくある光景ですが、営業マンも人の子なので自社商品の全商品を完璧に把握している人というのは実は稀だったりします。
じゃあ営業を受ける素人であるお客さま側はどうしたらいいのか?
それは実際に自分が保障を受け取る場面をイメージするとわかりやすいかと思います。
やはり自分がお金を支払って保険会社からいざという時にその対価を受け取るわけなので、具体的にイメージをするということが重要だと思います。
医療保険のメリット
- 病気や怪我した時に資金面で助けられる
- 節税効果
医療保険のメリットと言うと1にほとんどが集約されているかと思います。
ではメリットについても1つずつ解説していきたいと思います。
病気や怪我した時に資金面で助けられる
上でも書きましたがそもそも医療保険と言うものは病気や怪我で入院や手術をした時に保険会社からお金を受け取ることが出来る商品性となっています。
【例】
1日入院すると1万円が出るタイプの医療保険
入院手術を行うと20万円
例えば癌の平均入院日数は約20日となっております。(厚生労働省 平成26年患者調査より)
そうすると
入院1日につき1万円×20日間入院=20万円
手術をした=20万円
合計40万円を受け取ることが出来る。
これが保険として足りるのかどうか。
40万円受け取るのに一体いくら払っているんだ!?
勿論こういったことを議論する必要もあるかとは思っていますが、それはまた別途記載したいと思います。
ここでは少なくともこの40万円受け取ることが出来るということは当然のことながらメリットになります、ということで書かせていただきます。
節税効果
『医療保険で節税?』と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
生命保険に加入されているサラリーマンの方は毎年年末近くになると年末調整という形で保険会社から送られてくる生命保険料控除証明書を提出しているかと思います。
詳しくはまた別途まとめたいと思いますが、簡単に書くと保険入っている人は毎年所得税、住民税安くしますよっていう仕組みです。(ただし控除の上限は設けますよ。)
以前は一般生命保険料控除と個人年金保険料控除の2本立てでした。
これが2012年(平成24年)1月1日以降に関しては一般生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除の3本立てに変更となりました。
ざっくりどのくらいのメリットがあるかと言うと
例えば月々7000円くらいの医療保険に加入したとします。
そうすると年間で8万4千円。(年間8万円というのが上限金額となっております。)
すると4万円を所得から控除していいよというものです。
所得税は年収によって差がありますので、どのくらい税金が安くなるのかは人によって違いますが、例えば所得税率20%だと仮定すると毎年8000円所得税が安くなる。
住民税は所得税の方と計算が違いますので、ざっくり上記の例で計算をすると約2800円住民税が安くなるという形になります。
まとめると月々7000円医療保険に保険料を支払うと毎年8000円の所得税と2800円の住民税で合計10800円くらい税金が安くなりますよという節税効果があります。
お客さまの中にはこの控除を考えてその分だけ保険に入りたいという方もたまにいるくらいです。
ちなみに2011年(平成23年)12月31日より前に医療保険に加入している方は介護医療保険料控除は適用になっていません。
実はこれ適用させる方法がありますがそれは別途記事にしてまとめたいと思います。
中には介護医療保険料控除が使えていないので新しく入りなおしましょうとセールスする営業マンもいますのでご注意ください。
医療保険のデメリット
- コストパフォーマンス
- 体況上の影響を受けやすい
この記事を書くにあたって自分でも色々とネットで検索をしてみて知ったことですが、医療保険はデメリットという名目では紹介されることが少ない商品でした。
しかしこの2つが主なデメリットかなと個人的には思います。
コストパフォーマンス
冒頭にも書いた医療保険は不要といった記事を書いている方も大体これを理由にしていると思います。
医療保険のメリットのところでも少し記載しましたが、例えば医療保険に加入して癌で入院手術をしたと仮定すると合計40万円が保険会社から受け取れることがメリットとします。
それに対していくら保険会社に支払うのですか?
ということですね。
例で仮定した医療保険のスペックを35歳で加入して65歳まで支払うとします。
そうすると保険料は月々5000円程度が相場だと思います。
ということは年間で6万円の保険料です。
これを35歳から65歳の30年間支払うので、合計180万円を支払うことになります。
合計180万円を支払って1回癌になっても40万円受け取るのが相場だとすると、人生で5回癌になってようやく元が取れると考えることが出来ます。
こういう風に書くとどこかの保険会社の人やFPの人に
保険料払込免除特約をつけたらいいじゃないか!
癌の入院は短くても、脳卒中なら平均入院日数は約90日だ!
(注、保険料払込免除特約というのは保険料を支払っている期間に例えば癌になったらその後は保険料支払わなくてもいいですよ、でも保険はちゃんと続きますよという仕組みです。)
って言われそうですが、それは勿論その通りです。
これらについてはまた別途記載しますが、要は様々なケースが考えられるので一概にコストパフォーマンスが悪いと言う理由で医療保険が不要とまで言うのは少々乱暴かなと思います。
ただ『月々これだけの保険料で病気になっても困りませんよ。』とセールスする営業マンが多い中、月々の保険料だけではなくトータルで自分がいくら支払ってどのようなケースで保険会社からどのくらい受け取ることが出来るのかは考えた方が良いと思います。
体況上の影響を受けやすい
保険と言うものは加入をする時に告知と言って健康状態について保険会社に知らせて、それを受けて保険会社としてはOKなのかNGなのか条件付きでOKなのか結果を出します。
例えば医療保険に加入すると出産が帝王切開だった場合、手術給付金として受け取ることが出来ます。
ここで考えられるのが次のようなことです。
1人目の子が帝王切開だったけど、医療保険に入っていなかった。
2人目も欲しい、でも2人目も帝王切開の可能性が高いな~
じゃあ今の内に医療保険に入っておこう
こういうことですね。
実際、出産の帝王切開に備えて医療保険に加入したいという女性のお客さまは結構いらっしゃいます。
でもこれって保険の本来の目的とは少しずれてきます。
なのでこういった場合には保険会社サイドとしては「帝王切開を過去5年以内にしている方は新しく医療保険に加入しても3年間は帝王切開ではお金を支払いませんよ、その他は一般の方と同じ条件でOKですよ。」といった結果を出します。
これを部位不担保といった特別条件と呼びます。
しかしながら例えば3年前に帝王切開して、それが原因で今亡くなる方っていないですよね?
なのでこういった方も普通の生命保険は無条件で入ることが可能ということになります。
このように医療保険は健康状態のちょっとした影響をダイレクトに受けやすいので、ちょっと健康に不安がある方はすぐに悪い条件で加入が余儀なくされてしまうという点はデメリットかと思います。
いかがでしたでしょうか?
インターネットで医療保険は不要!というブログを見たからと言って簡単に判断するのではなくメリット、デメリットをしっかりと見極めてから判断された方がよろしいかと思います。
【米ドル建て生命保険】比較するべきポイント
米ドル建て生命保険に入ろうと思うけど、どこの商品が良いの?
これってお客さんと商談しているとたまに聞かれます。
この記事を読んでいる方もそれが気になって読まれているのかと思います。
ただいつも思うのですが、「自分が営業を受けている人に聞いても意味なくないですか?」ということです。
僕は一社専属の保険会社の人間なので、他社の方がいいねという話になってしまうと当然営業的には困るのですが、こういう質問をされた時は基本的にありのまま話してしまいます。
と言うのも例えば嘘をついたりして契約してもらっても意味がありませんし、単純な商品の性能だけを見て契約するか否かを決める方をお客さんにしたいと思えないからです。
でもそういう時に自社の優れている部分だけを強調したり、本来比較する必要があるべきところをあえて説明しなかったりでうやむやにする方が多いように感じます。
ではどういった点を具体的に比較すると良いのかいくつかポイントをまとめたいと思います。
米ドル建て生命保険の比較するべきポイント
- 解約返戻率
- 死亡保障に対してどの程度の保険料を支払うか
- 保障の内容
- 為替手数料
- 契約後のメンテナンスのしやすさ
大きなところですと、この5つを比較すると十分かなと思います。
では1つずつ解説していきたいと思います。
1、解約返戻率
【例】
トータルで支払う保険料:1万ドル
60歳時点で解約した時に保険会社から受け取れるお金:1万2千ドル
→60歳時点の解約返戻率は120%
歳時点で解約した時に保険会社から受け取れるお金:1万5千ドル
→70歳時点の解約返戻率は150%
殆どの営業マンが米ドル建て保険のメリットで積み立てた際の率が高いと言うところをメリットとして話すと思います。
お客さま側もそこが良いと思って米ドル建て保険に興味を持つ方が多いと思います。
どうせお金を積み立てるのであれば、増えないよりは増えた方が良いので60歳時点の解約返戻率が120%よりは125%の方が良いと思うのは顧客心理としては普通のことかなと思います。
ただ1つだけ言っておきたいことは
解約返戻率だけをセールスポイントとして勧めて来る営業マンからは加入しない方が良い。
ということです。
また保険商品の比較をしているサイトを見ていてたまに見かけるのが
A社:予定利率3%
B社:予定利率3.5%
なのでB社の方が良いです。
といった感じの記事です。
予定利率というものは簡単に言うと保険会社の金利といったイメージです。
確かに保険商品の解約返戻率や金額というものは予定利率によってある程度は左右されますが、他にも保険商品の解約返戻率や金額を左右するものはあるので、予定利率だけを見て比較するのは注意が必要です。
2、死亡保障に対してどの程度の保険料を支払うか
【例】
自分が亡くなった時に家族が受け取ることのできる保険金:10万ドル
トータルで支払う保険料:約4万ドル
この場合自分が4万ドルを支払うと10万ドルという保険を買うことが出来るというイメージですね。
同じ10万ドルという保険を買う時に4万ドルより3万ドルの方が良い。
同じ商品を買うのに400万円出して買うのか300万円出して買うのかで前者を選ぶ人はいないと思います。
『でも米ドルの保険は積立目的でやろうと思っているし、保険の部分はあまり気にしていませんよ。』という方もいらっしゃるかもしれません。
保険の部分をないがしろにして、積立という機能だけを勧める営業マンからは加入しない方がいいです。
これは別に保険は重要なので保険をしっかり考えましょうとかそういった話ではなく、積立と言う部分だけを論じている営業マンは全体のバランスを考えるということが出来ていないからです。
これがどういうことなのかはまた別で記事にしたいと思いますが、とりあえず自分がトータルでいくら支払うといくらの保険になるのか?ということは重要なポイントになってきます。
3、保障の内容
保険と言うと一般的な方が思い浮かべるものは
亡くなったら保険会社から受け取れる→生命保険
病気になって入院したり手術したら保険会社から受け取れる→医療保険
米ドル建ての保険商品の場合は、医療保険と言うものはありません。(2018年5月時点)
ただ実は亡くなった場合以外にも保険として色々な機能があったりします。
亡くなった時に受け取れる
癌になった時に受け取れる
障害になった時に受け取れる
介護になった時に受け取れる
癌になったら保険料を支払わなくても良い
等々
これも『積立目的だから保険の内容はどうでもいいですよ。』と思われる方もいらっしゃると思いますが、どうせ保険を使って積立をするなら保険の内容も考えた方が一石二鳥ではないでしょうか?
4、為替手数料
これは【米ドル建て生命保険】基本的な仕組み、メリット、デメリットで記載していますが、保険会社に保険料を支払う時、保険会社からお金を受け取る時にそれぞれ手数料が発生しています。
手数料と言うことは単純にコストなので、安いに越したことはないです。
保険契約をする際に重要事項を必ず説明するのですがそこに必ず為替手数料に関しては説明があります。
営業マンによってはここで初めて為替手数料について触れるという人も多いので、気になるようであれば事前に確認しておきましょう。
5、契約後のメンテナンスのしやすさ
保険は契約をしたらそれでおしまい。
と考えている方は多いと思います。
お客さま側も保険を契約しようとしている時は色々と調べますよね、営業マン側も契約時は丁寧に説明をしたり商品のメリットを説明したりします。
しかしながら当たり前のことですが、保険は保険として受け取る時や貯まっているお金を受け取る時というゴールに向けて皆さん考えると思います。
大体の方はスタートからゴールまで結構長い期間あります。
途中で当初の予定とは色々と変わったりもすると思います。
その時にメンテナンスをどのようにするか?というのは非常にポイントとなってきます。
保険の見直しというと古い契約を解約して、新しい契約をするという風に考える方が多いと思います。
ではメンテナンスとはどういうことがあるのか?
前納
払済
復旧
契約者貸付
自動振替貸付
等々
これらはほんの一例です。
一生使わないメンテナンスもあると思います。しか状況によっては非常に重要となるポイントでもあります。
特に米ドル建ての保険の場合は為替が関係してくるため、これらのメンテナンスを有効に使えるか否かで大きく変わってきてしまいます。
こういった手続きをどのように活用するのかなどはまた別途記事にしていきたいと思いますが、こういったメンテナンスが出来るのかどうかといったことはしっかりと確認をする必要があると思います。
いかがでしたでしょうか?
これは色々な保険会社で比較するしないに関係なく、この5つのポイントはしっかりと押さえた上で契約するべきポイントだと思います。
是非参考にしていただけたらと思います。
【米ドル建て生命保険】基本的な知識、メリット
保険の相談をしたら米ドル建て生命保険を勧められたけど、ぶっちゃけどうなの?
日本人の90%以上は生命保険に加入していると言われています。
社会人になったタイミング、結婚をしたタイミング、家を購入したタイミング、子供が出来たタイミング、子供が巣立ったタイミング、定年退職のタイミング etc
恐らく皆さんが生命保険と言うものを考えるきっかけとなるタイミングは人生において沢山あると思います。
保険会社、銀行、代理店と保険商品を扱っているところは数多くありどこで話を聞いたらいいの?といった話もあるかもしれませんが、そういった話はまた追々していきたいと思っています。
ここでは『保険の相談をしに行ったら米ドル建ての生命保険を勧められたけど、今まで聞いたことないし、周りでも入っている人が少ないし実際どうなの?』という話をしていきたいと思っています。
今はインターネットで簡単に情報が得られる時代なので、この記事を読まれている方も当然のことながらそういった目的かと思います。
僕自身も情報を集めるためにインターネットで検索をして情報を集めることはよくあります。
その時によく思うことが「これって知らない人は間違えそうだなー」ということです。
どういうことか?
1.そもそも米ドル建て保険は大きく分けると2種類ある。
2016年頃から話題となっているので、こんな話を知っている方もいらっしゃると思います。
『銀行窓販で外貨建て保険の手数料を開示する』
保険には毎月もしくは毎年保険料を支払っていく平準払いと呼ばれるものと、一括で大きな資金を支払ってそれで支払いが終わる一時払いと呼ばれるものがあります。
ここの認識を間違っているとインターネットで検索をしても、情報が混乱してしまうかと思いますので、ご注意いただけたらと思います。
上記の手数料を開示すると言った話は今のところは一時払いの保険の話になります。
一時払いの保険に関する詳細はまた追々していきたいと思いますが、一時払いの保険には変額年金保険、定額年金保険、一時払い終身保険といったようなものがあります。
一部例外はありますが、これら一時払いの保険というものは基本的には生命保険としての効力は薄いものであり、例えば『結婚をしたから生命保険を考えたいのですが。』といった状況で勧められることは基本的にないと思います。
インターネットで検索すると
米ドル建ての保険=手数料が高いからお勧めできません。
といった記事を見かけますが、これらは大体一時払いの米ドル建て保険の話です。
ですので、ここでは平準払いの生命保険としての効力が強い米ドル建ての生命保険についてお話していきたいと思います。
2.米ドル建て生命保険のメリット
-
保険に対して支払う保険料が安い
- 解約返戻率が高い
- 為替の動き方によっては、為替差益が期待できる
恐らくどこの営業マンもこの3つをメリットとして挙げて説明されているかと思います。
ではこれらについて1つずつ解説していきたいと思います。
まず最初に見ていただきたいのがこちら。
少しデータが古いですがこれは各国の10年国債の利回りの比較となります。
簡単に言うと 各国の金利の動き方を比べたものです。
こういったデータを使って『アメリカは日本と比べて金利が高いです。なので様々なメリットがありますよ。』と説明された経験があると言う方もいらっしゃると思います。
基本的に米ドル建て生命保険のメリットはここに集約されていると思っていいと思います。
1.保険に対して支払う保険料が安い
『円建ての保険と比較をすると保険として考えた場合にお安くご加入いただけます。』
例えば僕が自分で加入している米ドル建て終身保険を1つご紹介しようと思います。
保険の種類:米ドル建て終身保険(一生涯保険が続く)
自分が亡くなった時に家族が受け取ることのできる保険金:10万ドル
毎年支払う保険料:約2700ドル
支払う期間:10年間
トータルで支払う保険料:約2万7千ドル
後で詳しく説明はしますが、ここではわかりやすく説明をするために為替を1ドル=100円に固定して説明をします。
この条件で上の保険を簡単に言うと全部で270万円支払うと自分がいつ死んでしまっても1000万円を家族が受け取ることが出来る。
これだけだとわかりにくいと思うので、わかりやすく同じ条件で円建ての終身保険に加入したらどうなるかご紹介します。
保険の種類:円建て終身保険(一生涯保険が続く)
自分が亡くなった時に家族が受け取ることのできる保険金:1000万円
毎年支払う保険料:約78万円
支払う期間:10年間
トータルで支払う保険料:約780万円
これは保険の窓口などに行って円建ての終身保険に加入したいと言うと良く紹介される終身保険です。
要は同じ保険に入るのに円建てではなく米ドル建てを選択すると500万円近く安く加入することが可能。(保険金額1000万円相当の場合)
2.解約返戻率が高い
『終身保険には積み立ての機能がついております。米ドル建て終身保険は円建てと比較をすると利率も高いですよ。』
僕が自分のお金で初めて保険に加入したのは24歳の時です。
その時は「どうせ結婚したら保険にも入るし、仮にしなかったとしても支払ったお金が将来自分で使えるなら終身保険にしようかな。」という気持ちでした。
その時に加入した保険を例えば65歳で解約するとどうなっているか?
支払った保険料が約207%になっています。
これも同じようにこの時に円建ての終身保険に加入していたらどうなっていたか?
支払った保険料が約118%となっています。
いかがでしょうか?
仮にどちらにも500万円相当支払ったとします。
そうすると65歳時点で
米ドル建て終身保険:535万円増えている。
円建て終身保険:90万円増えている。
これは勿論為替が一切変化をしなかった場合と言う仮定ですので一概に比較することは出来ないかもしれませんが、同じ生命保険なのに円建てを選択するのか米ドル建てを選択するのかで未来の自分の手取りが数百万円変わってくることがお分かりいただけるかと思います。
3.為替の動き方によっては、為替差益が期待できる
『将来為替の動きによっては更に為替の利益も取ることが出来ますよ。今後の為替の見通しとしては円安ドル高を予想されている方が多いですよ。』
これは人によって意見が分かれるところですし、不確定なことなのでメリットとは呼べないかもしれませんが、こういった説明をする営業マンは多いように感じます。
例えば上記の例で説明をすると
トータルで支払う保険料:約5万ドル
65歳時に解約した場合に戻ってくる解約返戻金:約10万3千ドル
仮に保険料を支払っている期間がずっと1ドル=100円だとすると
トータルで支払う保険料は約500万円となります。
これが65歳時に1ドル=120円になっていたとすると戻ってくるお金は約1236万円となります。(本来107%しか増えないところ、為替の力で147%増えることになります。)
これらのメリットは最初にお見せした各国の金利差が関係してきます。
円建ての保険商品は日本の金利が、米ドル建ての保険商品は米国の金利が関係してきます。
基本的にいつの時代もアメリカの金利の方が日本と比べて高いので、為替の動きを無視すると米ドル建ての商品の方が有利になるという話になります。
デメリットに関しましては下記にて記載しておりますので、ご覧いただけたらと思います。
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三菱東京UFJ銀行を辞めるまでの5年半
職場の飲み会で、仕事や上司、会社の愚痴を酒の肴にしていませんか?
個人差あると思いますが、こういう人って多分多いと思います。
僕も勿論そうでした。
話は遡ること、2008年4月。
僕は三菱東京UFJ銀行(2018年4月より三菱UFJ銀行に改名)に入行しました。(一般的には入社と言うと思いますが、銀行では入行と呼びます。)
三菱東京UFJ銀行と言えば就職ランキングでは常に上位の人気企業の1つだと思います。
大学生時代はとにかく遊ぶのに明け暮れていて、勉強や就職活動を特別頑張っていたわけでもないがとんとん拍子で就職が決まり、多くの人に『遊んでてもなんだかんだうまくやるよな~』と言われていました。
そんな僕は5年半経った時、勤めていた三菱東京UFJ銀行を退職しました。
今はサラリーマンではなく、個人事業の営業コンサルタントとして保険会社で働いています。
銀行では幅広い金融知識、コンプライアンスなど、社会人として働くまた大人として豊かに過ごす上で大切な多くのことを学ぶことが出来ました。
未だに『なんで天下の三菱をやめちゃったの?』という質問はよくされます。
まず初めにお伝えしておきたいのが、
僕は銀行で働くことがとても楽しかった。
銀行に就職できて良かった。
と思っているということです。
銀行というと一時期高視聴率だったドラマ半沢直樹のような法人への融資といった業務を思い浮かべる人が多いと思いますが、僕はリテール部門での採用でした。
リテール部門の仕事と言うのは主に個人の富裕層を相手に資産運用、相続、不動産の有効活用と絡めた事業性の融資といった、要は個人のお金に関するなんでも屋さんです。
具体的にどのような仕事だったのか詳しくはまた別途書きたいと思います。
では仕事も楽しかった、職場の人間関係にも特に悩みがなかった僕がなぜ銀行を退職したのか?
銀行よりももっと面白い仕事に出会えたから。
これに尽きます。
今の仕事についてはまた別途書こうと思いますが、ここでは銀行を辞めるまでについてもう少し詳しく紹介しようと思います。
先ほど仕事も楽しかった、職場の人間関係に悩みもなかったと書いたが、それは少し正確ではなく勿論不満に思うことも沢山ありました。
1.銀行に対して不満に思っていたことは?
銀行と言うところは意味のない事務作業と言うものが非常に多いです。
「お客さまのために仕事をする」というフレーズを社訓のようにしている会社は珍しくないと思うが、「銀行のための仕事」「仕事のための仕事」というものは非常に多かったように感じます。
銀行を守るためだけにお客さまにも働き手にも負担を強いる作業や、本当に何の意味もなく『昔からやっているから』という理由だけで毎日繰り返す単純作業は数多くありました。
何年か前からAIの導入やペーパレス化によって銀行の仕事は無くなると言われていますが、これは本当にあり得る話だと思っています
さらに半沢直樹を見ていた方は記憶にあるかもしれないが、銀行、特にメガバンクは年功序列の縦社会であると同時にとにかく固い。
年上を敬う。
これ自体は当たり前かと思いますし、それに対してどうこう言うつもりはありませんが銀行における年功序列というのは2つの意味があります。
1つ目は上司や本部の言うことは絶対。
上司に従うだけでいいのかどうかという話は置いておいて風通しが悪いというシーンは何回も見てきました。
個人的には、本来客商売と言うものはお客さまが第一でありお客さまの利益を優先させたその先にビジネスとしての利益を生むものだと思っています。
ただ銀行では上司が言うから、本部の施策だからという理由で「一体誰のために仕事をしてるんだっけ?」という状況になることは珍しくなかったです。
2つ目は給料。
銀行と言うところは努力や実績を給料と言うものではほぼ評価してくれません。
僕は5年半勤めていて、目標となる営業成績も常に100%から200%くらいの達成率でしたが、給料は同期とほぼ変わることがなかったです。
銀行の給料の仕組みに関してはまた別途書きたいと思いますが、別にお金のために働いているわけじゃない!なんて綺麗事を言うつもりはありません。
僕はお金よりもワークライフバランスを重視したいと思っていますが、お金があるのとないのでは色々と変わってくるのも事実です。
どんなに頑張って目標と言う名のノルマを達成しても、全く数字の上がっていない40代後半の先輩の方が給料が高い。
これではモチベーションも上がらないと思います。
なんとなく銀行で働くということにもやもやしている時に今の会社からヘッドハンティングの話が来ました。
正直迷いました。
なぜなら今まで銀行の不満を書いていましたが、当たり前ですが良かったことも沢山あったからです。
2.銀行の良かったことは?
これは上でも書きましたが、幅広い金融知識を身に付けられたことです。
僕は就職活動の時には金融機関しか考えていませんでした。
金融機関と言うと銀行、証券会社、保険会社もありますがなぜ銀行を選んだのか?
それは僕の学生時代の認識が銀行=お金のデパートという感じだったからです。
なので取りあえず銀行なら金融の幅広い知識を付けられるんじゃないか?という考えでした。
Twitterとかを見ていると独立した方などが
サラリーマンオワコン
みたいなのを見たりしますが、全く思いません。
銀行では給料を貰いながら幅広い金融知識、それも実践的な知識をつけさせてくれたのですから感謝しかありません。
あとはこれは地味かもしれませんが、結構あったのが圧倒的なステータス。
メガバンク銀行員。
これって色々と受けがいいんですよね、不思議と。
社会的にも「メガバンクならしっかりしているに違いないし、将来安泰だね。」という感じの評価を受けることが多いし、合コンとかでも「銀行員!凄いね!頭良さそうだし、お金も持ってそう!」みたいな感じのことが多かったです。笑
他にも僕のいた支店は先輩も後輩も同期も良い人が多くて、銀行を辞めてもう5年近く経ちますが未だに遊びに行ったりご飯を食べに行ったりしています。
が、これは銀行だったからというわけではなくたまたま僕の配属先が良かっただけということもあるのでまぁ詳しくは割愛します。
このような感じで銀行で働いていて良かったことは沢山ありました。
しかし、僕は銀行員というステータスを捨てて転職をするという結論を出しました。
理由は色々とありますが、何よりも大きな理由。
早くこの会社で働いてみたい。
ヘッドハンティングの話なので勿論良いことばかり言われていただけかもしれません。
しかし自分の気持ちがそう動いてしまった以上、その気持ちに嘘をついて1週間の半分以上を仕事という時間にあてるというのが我慢出来なくなりました。
そして緊張しながら意を決して上司に退職届を提出しました。
銀行で働くことに迷っている方へ伝えたいこと
迷っているということは既に気持ちは次の仕事に行っているのではないかと思います。
それでも迷っているということは、僕も少しそういった点はあったのでわかりますが、おそらく
銀行と言う社会的なステータスを捨てることや世間体を気にしている。
別に悪いことではありません。
でも『大して働いていないのにすぐ辞めてこいつ大丈夫かな?』『出世競争で脱落したのかな?』って思われないかなと勝手にネガティブになっていませんか?
そんなこと絶対にありません。
勿論心の中で思っている人もいるかもしれません。
でもそういった人たちは自分のテリトリーからは自然と居なくなっていくと思います。
そして転職をして大きく変わったことが一つありました。
それは
飲み会が楽しい。
一番初めに皆さんに問いかけた話になります。
そんなことか、と思われるかもしれません。
でも単純に楽しい、つまらないの話ではありません。
振り返ってみると銀行は驚くほど飲み会が多い職場でした。
銀行と言うところは月1回くらい支店の誰かしらが転勤し、誰かしらが転勤してきます。
なのでそれの歓送迎会。
支店全体でやったり、部内でやったり、有志でやったり。
それとは別に普段から普通に何人かで飲み会。
僕はお酒は飲みませんが、平日5日のうち4日は銀行の誰からしらと飲み会をしていたと思います。
問題はそこでの話題。
皆さんも経験があるかもしれませんが、「会社の愚痴、仕事の愚痴、上司の愚痴」酒の肴にしていませんか?
それはそれで楽しいんですが、それって生産性あるか?と言われたら僕は無いと思っています。
今の会社では社内の飲み会がそんなにやるわけではないですが、
基本的に愚痴とかありません、不満があるならどうしたら改善されるのか話す。
これって大した話に感じないかもしれませんが、結構凄いことだと思っています。
みんなが仕事というものに対してストレスを感じることなく、毎日楽しく過ごしているという証明かなと思います。
勿論、普段からそんな意識高い感じばかりではなく多くは馬鹿話して終わるんですがね。笑
一度しかない自分の人生です。
社会的なステータスと言う形のないもので身を固めることが悪いとは思いません。
それよりも楽しく毎日働いて生活していきたい。
そんな想いが僕の場合は上回ったに過ぎません。
転職した結果、「やっぱり銀行の方が楽しかったな。銀行に戻りたいな。」って思ったかもしれません。
【失敗からは学びが、成功からは賞賛が得られる。
ということは挑戦することはプラスしかないんだよ。】
これは今の会社の先輩が普段から言っている言葉です。
よく人生は短いと言われます。
そして社会人として働く時間は人生の半分を占めています。
そんな大切な時間を仕事に対する想いに何かと理由をつけて蓋をしながら毎日作業のように仕事をこなす。
それでは勿体ないと思います。
社会や他人を変えるのは難しいです。
人生を変えたいなら自分が変わるのが一番手っ取り早い方法だと思っています。
この記事が、人生において仕事が理由で悩んでいる方の何かの手助けになれば幸いです。